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【衝撃の英王室スキャンダル、ベスト5】庭師とマーガレット王女の不倫、セーラ夫人“足の指しゃぶり”パパラッチ、アン王女の誘拐未遂事件

2021/05/22 17:00
堀川樹里(ライター)

英国スキャンダル5:1992年は「思い返したくもない」、英国王室の「アナス・ホリビリス(ひどい年)」

 スキャンダルの多い英王室といえど、毎年のようにスキャンダルに見舞われることはさすがにない。しかし、毎月のように悪いことが起き、エリザベス女王が頭を抱えた年があった。理想的な家族を築けば、国民の信頼を得られると思い、家族の結束力を大切にしてきた女王だが、92年、王室の家族の絆が崩れ落ちてしまったのだ。

 時系列でその1年の出来事を振り返ってみよう。

1月18日:セーラが子どもたちを連れてテキサス州の石油王と不倫している写真がフランスのタブロイド紙に掲載。

2月11日:インドのタージ・マハールを訪問していたダイアナ妃が、メディアの前でひとりきりでベンチに座り「孤独感」をアピール。かわいそうだと王室は批判を受ける。

3月19日:アンドリュー王子とセーラが離婚に向けて別居することを発表。女王が激怒して決めたものだとタブロイドは伝えた。

4月23日:アン王女が73年に結婚した最初の配偶者マーク・フィリップス大佐と離婚。89年ごろから、「マークが浮気をしている」と不仲が伝えられるようになったが、王女は「離婚はしない」と主張し続けてきた。しかし、この日、アン王女は女王の子どもの中で初めて離婚した。

6月7日:暴露本『ダイアナ妃の真実』が発売。「ウィリアム王子を妊娠中、階段から身を投げ自殺未遂をした」「自傷」「過食症」だったダイアナが「助けを求めたが王室は無視した」「チャールズ皇太子は結婚後もカミラとの関係を続けていた」などショッキングな内容で、世間に大きな衝撃を与えた。王族メンバーが、自分が抱える問題をジャーナリストに明かすことはこれまでなく、この暴露本により女王は「加害者」という目で見られるようになり、支持率は急激に下がった。

8月20日:セーラが不倫相手に足の指をしゃぶられているパパラッチ写真が、タブロイドの1面に掲載される。3月に離婚することを発表していたが、その後、アンドリュー王子とセーラは娘たちと一緒に過ごすことが多く、復縁するのではないかと期待されていたタイミングだった。王室のイメージは修復できないほど傷つけられた。

8月24日:ダイアナと浮気相手ジェームズ・ギルビーとの盗聴された電話音声が流出。いわゆるスクウィジー・ゲートだが、ダイアナが「王室の暮らしが孤独でひどい」と嘆く内容は暴露本以上の衝撃を世間に与えた。

11月11日:チャールズ皇太子とカミラの盗聴された電話音声が流出。いわゆるタンパックス・ゲートで、王室のイメージは大幅にダウン。チャールズ皇太子は国王になるべきではない、ふさしくないという声が高まり、英国民の間から「王室は必要ないのではないか」という声も聞こえるようになってきた。

11月20日:女王の居城のひとつであるウィンザー城が火事に遭う。スタッフは大急ぎで貴重な工芸品を運び出したが、多くが焼失した。女王は大きな精神的ダメージを受け、一瞬、同情が集まったが、税金で修復するつもりではないかと再び国民の批判を浴びた。

11月24日:自身の戴冠40周年を祝う式典でエリザベス女王は、「92年は思い返したくもない、率直に言って喜べない年になりました。同情してくれた側近が“アナス・ホリビリス(ひどい年)”と表現したが、その通りです」と発言。女王が初めて本音を明かしたスピーチだとして大々的に報じられた。

 

堀川樹里(ライター)

堀川樹里(ライター)

6歳で『空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン』にハマった筋金入りの海外ドラマ・ジャンキー。現在、フリーランスライターとして海外ドラマを中心に海外エンターテイメントに関する記事を公式サイトや雑誌等で執筆、翻訳。海外在住歴25年以上。

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最終更新:2022/09/22 14:59
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