日本とはスケールが違うな

【衝撃の英王室スキャンダル、ベスト5】庭師とマーガレット王女の不倫、セーラ夫人“足の指しゃぶり”パパラッチ、アン王女の誘拐未遂事件

2021/05/22 17:00
堀川樹里(ライター)

英国スキャンダル2:波乱に満ちたマーガレット王女の恋愛

 エリザベス女王の妹マーガレット王女は、若かりし頃、美しく華やかで、社交会で頂点を極めていた。映画『ローマの休日』のモデルともいわれている彼女は、自由奔放で、マスコミから追いかけられる存在だった。そんな彼女が恋に落ちたのは、父親である国王のもとで働いていた、英国の英雄だった侍従武官ピーター・タウンゼント。16歳年上の妻子持ちで、若き王女と成就しない恋愛などしないだろうと、当初、彼の存在は特別問題視されていなかった。

 52年2月、父親のジョージ国王が56歳で死去。幼い頃から父親にかわいがられてきたマーガレット王女は深い悲しみに見舞われた。姉であるエリザベス女王(当時は王女)とは仲が良かったが、既婚者であり、女王に即位するため忙しくなり、なかなか話し相手にはなってくれない。王女はピーターに話を聞いてもらい、傷ついた心を癒やしてもらうようになった。53年、ピーターは妻と離婚。その数週間後、マーガレット王女にプロポーズした。

 長身でハンサムなピーターに夢中だった王女はその場でプロポーズに応じたが、大きな問題があった。ピーターの離婚歴である。

 当時、王室は、離婚歴のある人物との結婚を禁じていた。王女の叔父エドワード8世は2度の離婚歴のあるアメリカ人女性と結婚するために、国王を退位している。1772年の王室婚姻法(2013年に廃止)により、王女は25歳未満で結婚する際、君主であるエリザベス女王の許可を得なければならなかった。マーガレット王女は当時23歳で、女王の個人秘書をはじめとする側近たちは、マーガレット王女とピーターの結婚に猛反対。女王は「25歳になる1955年まで待つように」と王女に伝えた。

 そんな中、53年6月に開催された女王の戴冠式で、マーガレット王女とピーターの仲むつ睦まじい様子を見たメディアは、2人の恋愛を報じるようになり、全英が美男美女のロマンスに注目するようになる。その後ピーターはベルギーの英国大使館に左遷され、2人は2年もの間、離れ離れになるが、毎日のように手紙を交わし、愛を深めた。そして、女王の許可なしに結婚できるようになった55年、2人は再会。情熱的に見つめ合う2人を国民は応援した。

 しかし、王位継承権、王族としての収入など、それまで持っていたすべての特権が剥奪され、また英国国教会にも祝福されない結婚となることに2人は悩んだ。英国民は2人の結婚を望んだが、王室メンバー、英国国教会からの猛反対もあり、マーガレット王女は55年10月、ピーターとは結婚しない苦渋の決断を下した。

 愛する男の妻ではなく王室メンバーであり続けることを選んだ王女は、ピーターが別の女性と婚約したのと同じタイミングの5年後に写真家と結婚。一男一女をもうけたが、夫の浮気や薬物乱用、同性愛関係に悩まされ、自身も17歳年下の庭師と浮気をするようになり、タブロイドを騒がせた。夫とは78年に離婚し、その後も有名人らと浮名を流す“恋多き王女”として知られたが、生涯で愛した男はピーターだけだったと伝えられている。

 ピーターは95年に80歳で死去。同年脳卒中に見舞われた王女は2002年、71歳で亡くなった。

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