PTAには入りません、って言えない!?

「公平に」って、誰基準!? 「言ったもん勝ち」でひと悶着、PTAのフワッとした“民主主義”って……

2021/05/22 17:30
桜田モモ (ライター)

この春、我が子が小学校に入学! と同時に、うわさでいろいろ見聞きしていた「PTA」が、ついに現実のものに。「PTAは任意なんでしょ? 加入しなければいいのに」と思っていたけど、子どもの学校は「加入率100%」……!? 早くもPTAの謎ルールに面食らった母がつづる、「PTAには入りません、って言えない!?」。

「公平に」って、どこのだれ基準!? 「言ったもん勝ち」でひと悶着、PTAのフワッとした民主主義の画像1
写真ACよりより

▼前回まで▼
我が子が入学した小学校のPTAは、現時点では実質、強制加入。年度初めの懇談会では、保護者は「PTAに加入しているもの」として話が進行した。「PTA委員」決めも行われ、くじ引きの結果、私は「校外委員」をやることに。引継会で待ち受けていたのは……!?

あらゆるものを手作りさせる「名もなき労働」多すぎ

 校外委員会の引継会は、とある平日の午前中、小学校の特別教室で開かれた。出席している校外委員およびPTA本部役員の大多数が母親で、父親はごく少数。欠席する場合は、委任状を提出する。

 最初に本部役員が、PTA活動のあらましや校外委員会の活動内容を説明。校内の入り方から始まって、報告書だの印刷物だの留意事項もあれこれと多いが、PTAが「手作り」しているモノもまた、多い。「外注」しているのは広報紙の印刷ぐらいだ。

 たとえば、入学と同時に保護者全員に配られる「入校カード」およびそのホルダー。学校側からも、行事や学童のお迎えの時は必ず着用するよう言われているが、用意しているのはPTA。ちなみに、色画用紙をカットして作成された校外委員用の「IDカード」もある。

 そのほか、1年生がランドセルに付ける下校コース別のリボンの発注・カット作業、自転車用のパトロールプレートの印刷・ラミネート加工、学区内の危険箇所をまとめたマップの作成などもPTAが担っているわけだが、いずれも手作業が多い。もちろんボランティア団体だから無償。名もなき家事ならぬ、名もなき労働。ちなみにこれら作業のうち、事前資料に書かれていたのはごく一部だけ。多すぎて書ききれないのかもしれないが……。

 パトロールプレートあたりは「やりたい人勝手にどうぞ」の部類だが、入校カードやリボンなど、学校側も「当然あるもの」とみなし、なければ支障が生じそうなものまで、「任意」であるはずのPTAが負担すること自体、ナンセンスな気もする。

 ちなみに、引継ぎ資料はQRコード搭載でGoogleスライドでも閲覧可能だが、これも委員や役員の善意やボランティア精神(?)で成り立っているといえるだろう。

係決めでひと悶着!! 「言ったもん勝ちに思える」のママの一言

 また引継ぎ会では、校外委員会の委員長・副委員長(計2名)選出、および係決めも実施。PTA本部側は、委員長・副委員長は5年生の保護者が望ましいと言い、また、係は本部側によって各学年1~2つほど割り当てられ、あとは学年の中で分担するだけと、一応「お膳立て」はされているらしい。

 1年生の親には、下校指導を取りまとめる係と、インクカートリッジを回収する係がある。その場に立ち会った本部役員は「くじで公平に決めたいですが、希望があれば言ってください。皆さんの承諾を得られたら、優先させていただいても。活動に参加できず『あの人全然来ないじゃん』となるよりは」と進言。

 すると、ママ友同士なのか、「私たち、インクカートリッジをやりたいです」という人が3人。しかしこれに不快感を覚えたのか、「言ったもん勝ちに思えてしまうんですけど」と言う人も現れた。いざ話し合いらしきものが始まると、どうやら「言ったもん勝ち」と疑問を呈した人も、インクカートリッジ回収がやりたい様子だ。

 結局、回収係を希望した人は希望通りに担当に就き、特に希望のない人・欠席した人は下校指導係になった。よって、私は下校指導係に。

 ちなみに、委員長・副委員長は立候補がなく、本部役員が「コロナで例年よりも負担は軽い」「時間の融通は利きやすい」と説明していたが、皆一様に沈黙。出席している5年生の保護者から1名決めてほしいと促されると、じゃんけんで決めることに。もう1名は、本部がくじ引きをして欠席者の中から決めるという。来ていない人からの選出はあまりしたくないらしいが。

アイツだけ、ずるい! 公平性
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