大久保ニューの【美のぬか床】 第24回

美容鍼で、衝撃の「顔面バースデーケーキ」に! 神秘の技が刺激する女の“輪郭コンプレックス”

2016/03/06 19:00

美しくなりたい――世の女たちの狂おしい思いを、「44歳、ゲイ、汚部屋に一人暮らし」の漫画家・大久保ニューが担ぎ込む! 古今東西あらゆる美容法に食らいつき、美を追い求める女の情念まで引きずり出す――

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(C)大久保ニュー

 いきなり、どうでもいいカミングアウトをさせていただくと、私は「ハリ処女」である。ハリとは鍼灸の鍼のこと。どうにも肩の調子が悪かった時に整骨院へ通ったことはあるが、鍼は未経験の私。マッサージ好きな友人がよく「鍼、気持ちいいよ☆」と言っているのは耳にしていたが、「痛そう!」という処女らしい怯えからトライできないでいた。あと、これは漫画脳の弊害なのだが、「間違って秘孔とかに刺さったら大変そう!」という心配もあった。いきなり顔面が破裂したりするのヤダもん! 漫画家らしい心配でしょ☆

 そんな私に担当編集のJ子から「美容鍼を取材しませんか?」との提案が舞い込む。取材先となるリンドウー治療院では、「ほかの美容鍼灸では得られないリフトアップ効果」があるとのこと。初詣で「たるみませんように!!」と鐘を鳴らした私には、グッとくる宣伝文句だ。ホームページを見てみると、トップページに「リンドウー治療院応援大使」として、施術を受けた芸能人やアスリートがズラリと並んでいる。え!? 浅香山親方(元大関魁皇)も通ってるの!!?? 私が相撲にハマるきっかけを作ったスーパーアイドルだよ☆ 私のハリ処女を捧げるのはここしかないね!

 ということでやって来ましたは赤坂の治療院。明るくてキレイで、オシャレなクリニックといった感。今回はなんと、総院長である後藤竜也先生、直々に施術していただくことになった。まずはカウンセリング。私の願いは「とにかくリフトアップ!」一択。「それよりも、美容鍼ってそもそも一体どういう仕組なんですか?」と後藤先生に質問したところ、「むくみ」や「ほうれい線」に効果的なポイントを刺激するという直接的な効果と、肌の内部の筋肉を傷つけることによって肌が再生しようとコラーゲンを作ることで、リフトアップ効果があるらしい。例えるならば、手痛い失恋によって傷ついた女子が「絶対キレイになってやる!」と、奮起する感じだろうか。私の肌に潜む坂井真紀に「頑張れよ!」とエールを送る。

 治療院で施術を受けたモニターの方々のビフォー・アフター写真を見せてもらい、あまりの若返りっぷりにビックリした後、施術を受ける格好に着替え、ビフォー写真の撮影。カメラを向けられると、どうしても口角を上げようとしてしまうのは中年のSAGA。さて、いよいよ施術だが、まずはデモンストレーション。ふくらはぎを揉まれると、ものすごい激痛が! 運動不足による老廃物が溜まりまくっているらしい。そして後藤先生が腕に鍼を打つというのだが、うつ伏せになっているので、どこに打たれるのか見えない。初体験がうつ伏せって怖いんですけど……と震えるハリ処女の私は、「痛くしないで」とお願いしようかと思ったが、「どうです? 痛くないでしょ?」と、後藤先生。「え? もう入ってるの?」と、思わず可愛くない言葉を口にしてしまうくらい無痛。そしてさらにビックリしたのは、その後に同じ強さでふくらはぎを揉まれても、まったく痛くないのである。何この神秘!?

 鍼は髪の毛よりも細いらしいのだが、痛みをまったく感じないので「私の神経、鈍りまくってる?」と不安になる。しかしそれは、特別な修行をなさった後藤先生ならではの技術らしい。「世界でもこの打ち方ができるのは、僕だけじゃないかな」と豪語する先生だが、身をもって体験した私は、先生が輝いて見える。高まりまくった信頼感で「私の初体験、先生にお任せします☆」と、身を投げ出した。

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