【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

“主人公タイプ”の夫との完璧な結婚生活のはずが……婚外恋愛から離婚に至った彼女が「守ってよかったもの」

2021/11/14 16:00
いしいのりえ

主人公に好かれて舞い上がっていた

 その後、2人は別居。

 元ご主人から離婚をしようと言われたが、光希さんは頑なに拒否。当人同士のみの話し合いでは埒があかず、家庭裁判所を介して話し合いを進め、離婚まで2年ほどかかったそうだ。

「2年間『私に外で浮気をさせたのは夫のせいです。離婚はしません』と、言い続けてました。モブなのに主人公に好かれて舞い上がっちゃって、おかしくなっちゃったんですよね。もう離婚して5年以上たつので、ようやく冷静に振り返られるようになりました」

 落ち着いた表情で光希さんは言った。

 憧れていた男性にみそめられて結婚し、少々人生をこじらせてしまった光希さん。しかし、大好きだった「彼」との結婚生活で、守ってきてよかったと思えるものがある。

「仕事です。彼が私のことを気遣って何度も『辞めていいんだよ』と言っていたけれど、頑なにフルタイムの仕事は辞めませんでした。私の仕事は日々進化していますので、少しでもブランクがあると置いてきぼりにされてしまいます。つらくても、大事な人を失っても、手に職があれば自分で自分を守れますからね」

 次の結婚相手は、選ばれるよりも私が選ぶ側になりたい、と、光希さんは笑顔で語った。
(文・イラスト/いしいのりえ)

最終更新:2021/11/14 16:00
【謝恩価格本】性を書く女たち
アクセスランキング