【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

現役の皇族が大炎上するのは「歴史的なこと」? 眞子さま・秋篠宮家バッシングが象徴する「特権」と「私らしさ」の相克

2021/10/24 16:30
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)
gettyimagesより

「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます!

▼前回▼

――前回に引き続き、皇室史上、最大の”アウト”になりかねない小室圭さんと眞子さまの結婚問題について、お話をお伺いしていきます。9月下旬、ニューヨークから日本に戻ってきた時の小室さんの姿には驚かされました。

堀江宏樹氏(以下、堀江) ポニーテールにはびっくりしました。

 長髪がダメだというわけではないのです。「皇族がたとの面会の予定はない」と聞いていたにせよ、秋篠宮家の眞子さまとの結婚のために、ニューヨークから帰国する自分の“人生の大事に、いっそうの注目を浴びることがわかっているのに、あの伸びっぱなしの髪形……。TPOの感覚がなっていないし、眞子さまにも失礼な行為だと思いました。

――帰国後しばらくしてから、襟足までさっぱりと切りましたね。短髪姿はネット上で好評だったそうですが……。

堀江 人さまの外見センスに口を挟むのは控えます(笑)。伝統的な観点からコメントさせていただければ、と。伸び放題の髪形で、就職活動を行ったとすれば、内定先に顔も出していたということですよね? 驚きです。いくらアメリカが「自由の国」とはいえ、弁護士として生きていくことは上流社会の一員となることを意味します。

 19世紀中盤のアメリカ大統領だったエイブラハム・リンカーンは、貧困層の象徴だった丸太小屋に生まれ育ち、政治家になる前には独学で弁護士となった人なんですね。

 弁護士になって、上流社会にはじめて足を踏み入れることになった彼は、服装や髪形のTPOがなっていない! との批判を受けました。フィアンセのメアリー・トッドという女性から一番注意されまくったのですが(笑)、そのたびに、リンカーンはストレスを感じながらも改善の努力を続けました。

 社会的なステイタスにふさわしい服装を公の場でするのは、欧米社会における常識中の常識です。あの長髪で「プリンセス・マコのフィアンセ」と経歴書に堂々と記していたらしいですが……情けない限りです。

――しかし報道陣も、帰国寸前になって、あのロングヘアの映像をしつこく放送してきましたよね。

堀江 一斉砲火は怖いですねぇ。しかも、一番大炎上するであろうタイミングで公開されましたからね。使われる写真も、ポニテが乱れてボサボサになっているやつだったり(笑)。

 あれも”大人の世界の怖さ”です。マスコミ各社にはニューヨークにも駐在員がいるのです。当地で暮らしていた彼をマスコミが追いかけ続けていたことは明らかです。当初、報道陣を完全無視する小室さんの態度、かなり堂に入っていましたから。

――でも、これから眞子さんや小室さんはああいう”怖い人”たちの中に、これから放り込まれてしまうのですよね。

堀江 いくらボディガードなど付けたところで、マスコミ相手にはほとんど丸腰状態だと思います。

 一部のマスコミは、何を言われてもヘコたれない小室さん母子について語る時、「自己肯定感が強すぎる」などの言葉を使いたがりました。本来、「自己肯定感が高い」というのは良い意味しかありません。しかし小室さんのようなケースは、むしろ「自己評価だけが異様に高いから無敵」なんです。それがあの伸び放題のポニーテールなどにも表れているような気がしてならないんですよね。

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