【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

現役の皇族が大炎上するのは「歴史的なこと」? 眞子さま・秋篠宮家バッシングが象徴する「特権」と「私らしさ」の相克

2021/10/24 16:30
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

「公」を生きるべき皇族でありながら「私」を求めすぎている?

――しかし、ひとりの人間として心に傷を……という眞子さまの言葉には胸が痛くなるところがありました。皇族だけど、やはり人間ではあるわけで。

堀江 そうなんですよね。それでも「公」を生きるべき皇族でありながら、「私」を求めすぎているのでは、という批判は正論であり、それゆえに看過できません。

 人気のある男性皇族、王族はスーパースターの扱いになることが多く、多少、おイタがすぎても許される部分はあるのです。「王様らしい」などといって。その時の、その方の好感度に左右されますが。

 ところが、女性の皇族・王族が、同じようなことをしたり、たとえば「私らしさ」を重視するようになると、世間の批判はすさまじいものになりがちです。たとえば19世紀末のオーストリアのエリザベート皇后や、18世紀のフランスのマリー・アントワネット王妃もそうですよね。

 皇族・王族であったところで、一人の女性として幸せに生きたいという願いは当然至極ですが、「特権を享受しながら、さらなる自由を主張」と見られてしまった時点で大失敗なのです。間違えた道を突き進むのではなく、手遅れになる前に改善の努力をするべきでした。

――女性皇族は「公」に尽くすしかない、と。それはあまりにも残酷に思えますが。

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