【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

現役の皇族が大炎上するのは「歴史的なこと」? 眞子さま・秋篠宮家バッシングが象徴する「特権」と「私らしさ」の相克

2021/10/24 16:30
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

秋篠宮家礼賛から批判へのターニングポイント

堀江 その流れの中で17年、眞子さまが小室圭さんとの結婚が内定したとの報道が流れた直後から、小室家の金銭問題や数々の問題が噴出しはじめた。また、19年には同じく佳子さまが「へそ出しダンス写真」を公開されて批判を浴びる中で、秋篠宮家では将来の天皇とも目される悠仁親王に、適切な教育が本当に行われているのだろうか? という懸念が国民の中で高まり、いまや爆発してしまっている状況ではないでしょうか。

 しかし、礼賛から批判へのターニングポイントは、眞子さまと小室圭さんの婚約発表だったと思われます。

――海外での報道も気がかりなものばかりです。「天皇陛下の反抗的な姪」などといわれてしまっているらしいですね

堀江 王族・皇族は世界中の例をとっても”正しさの象徴”であるべきなのです。

 絶対王政の時代……たとえば17世紀のフランス国王ルイ14世の時代では、国王は神の化身である、と。一方、庶民の立場の説明として、“初期のキリスト教徒はネロのために祈ることにおいて、その義務を果たしたのである”という当時の言葉があります。

 わかりやすくいえば、国王が暴君でも、それは国民に与えられた神からの試練としてありがたく受け取り、国王が持ち直すよう、祈りなさい……とまで説かれていたのですけれど、革命を経験した後の世界では王族・皇族の問題行動に寛容でいてくれる国民はいません。

 また、皇族は日本の顔でもあります。正しさを体現すべき皇族がモラルなき行為を連発中の問題家庭に嫁ぐことに執着し、反対を押し切る際に複雑性PTSDまで発症したという “ストーリー”が全世界に発信され、最悪でした。「皇室外交」なる言葉もありますが、眞子さまの例は日本や日本人、日本文化などのブランド性を全世界に向けて貶めたと思われます。

本当は怖い日本史
特権と自由、どっちか選べといわれたらどうする?
アクセスランキング