【連載】オンナ万引きGメン日誌

ドン・キホーテで1日7回万引きも!? 韓国、ベトナム、中国……Gメンが語る「外国人の大胆手口」

2018/08/28 16:00
cyzowoman180828
Photo by othree from Flickr

 みなさん、こんにちは。保安員の澄江です。万引きといえば、主婦によるもの。そんなイメージを抱かれている方もおられることでしょうが、実際の現場で捕まるのは高齢者ばかりで、女性よりも男性の方が多いです。また、少年万引きの数が減少した代わりなのか、窃盗団と呼ぶべき換金目的のプログループの存在が目立ち、外国人留学生などによる大量万引きも横行しています。昨今、語学留学のために来日してくる外国人は多いですが、彼らが通う日本語学校が近くにある店の万引きが増えている事実もあるのです。いわゆる闇サイトで万引きする人を募集して、盗品を買い取る元締のような人物まで存在しており、初めて会った者同士で犯行に至るケースもありました。犯罪者の悪知恵には、いつも感心させられます。

 つい先日、大阪市中央区の「ドン・キホーテ道頓堀店」で、医薬品52点、約12万円相当の商品を万引きした20代の韓国人カップルが逮捕されたという報道を見ました。信じられないことに2人は、同じ店で1日に7回も万引き行為を繰り返し、盗んだ商品は滞在先のホテルに隠していたそうです。ホテルの部屋からは、医薬品や化粧品を中心に1100点以上の被害品が押収され、その被害合計は152万円相当にのぼりました。これほど派手な犯行に気付かないお店の保安体制にも疑問を覚える話ですが、入念な下見を重ねた上での計画的な犯行だと思われ、ジャングル化された店内の状況も完全に把握されていたのでしょう。これほどまでに大胆不敵な犯行は過去に聞いたことがなく、ただただ驚愕するばかりです。

 その少し前にも、石川県金沢市内のドラッグストアなどで盗んだ大量の商品を埼玉県川口市内のアパートに隠して、母国に転売を図っていた2人のベトナム人が摘発されていました。こちらの盗んだ商品も化粧品や医薬品などで、300品目、1,700点にのぼる商品が押収されています。万引きされた商品の詳細は、被害届や供述調書などに全て記載しなければならないので、相当な時間がかかったはずです。金沢から川口までの移動負担も大きく、担当の刑事さんは気が滅入る思いだったでしょうね。両事案とも、犯人は「日本国内や母国で転売するために盗んだ」と供述しているということですが、前述したような闇の販売ルート潰さない限り、このような大量盗難事件はなくならないと思います。

 医薬品や化粧品は世界共通のものですし、モノが小さく単価が高いので盗みやすいのか、国内外の窃盗団に激しく狙われています。医薬品で狙われるのは強壮剤やサプリメント、鎮痛剤、絆創膏などで、具体的に言えば、キューピーコーワゴールドやキャベジン、サロンパス、傷の治りが早い絆創膏などといった商品が人気ですね。化粧品で人気があるのは、基礎化粧品やファンデーション、マスカラ、リップ、アイシャドウなどで、資生堂やKATE、AQUA LABELといったブランドの商品が好まれています。私の扱った中には、正露丸とバファリン、ニベアクリームを大量に盗んだベトナム人の女の子がいました。いずれも日本を代表する昔ながらの商品ですが、ネット上で再評価されて人気を博したことで換金率が高まり、転売も容易なことから狙われたのです。

万引きGメンは見た! [DVD]
「揚げ餃子のように潰れた耳」にリアリティほとばしる!
アクセスランキング