【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮さま、かつては皇室を出ていく発言も! 「王室脱退」メンバー相次ぐ英国との違いとは?

2022/11/19 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)
(C)サイゾーウーマン

皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます! 前回から引き続き、今回も新国王が誕生した英王室について聞いていきます。

――英王室の恋愛・結婚はいつくらいから世界の注目の的になってきたのでしょうか?

堀江宏樹氏(以下、堀江) 19世紀後半くらいからでしょうか。しかし当初は社交界の艶話として、前回も少しお話した、ヴィクトリア女王のインド人使用人に対する「秘密の恋」も語られていたにすぎないと思います。彼女の息子のエドワード7世は、母親が長生きしすぎたせいで何もすることがなく、情事にうつつをぬかすプレイボーイであったいう逸話も、上流階級限定のうわさ話というような……。

 しかし、恋愛や結婚問題が完全な表沙汰となり、王室を語る上で避けられないテーマになっていったのは、第二次世界大戦後、ヘンリー8世の「王冠をかけた恋」が大々的に報道されてからでしょうね。エリザベス女王もフィリップ王配(エジンバラ公)の浮気に苦悩したとかいろいろといわれています。こちらはNetflixの『ザ・クラウン』でかなり誇張された形でドラマ化されていますね。

――近年の英王室の結婚スキャンダルといえば、なんといってもチャールズ皇太子とダイアナ妃の話ですが、思えばエリザベス女王の子どもたちは全員、この手の男女スキャンダルの当事者になってるんですね。特にスキャンダルの点で「すごい」のはアンドリュー王子でしょうか。1986年4月10日号の「週刊文春」(文藝春秋)には、当時26歳の「英国王室の次男坊殿下」アンドリュー王子と、同年のセーラ・ファーガーソンさんの婚約が発表されたとたん、すごい騒動が始まったとありました。

堀江 報道からわずか10日あまりの間に、セーラさんの過去の異性スキャンダルがてんこ盛りで報道されはじめたのです。この点、眞子さんと結婚したことで、小室圭さんの家庭事情が暴かれたのと似ているかも。

 アンドリュー王子もポルノ女優と交際したことが知れ渡っていましたが、セーラさんも22歳も年上で私生活に問題のある恋人と3年も交際、同棲までしていたそうです。

――「文春」の記事を見ると、とくに「同棲」という経歴が問題だったみたいですね。同棲=処女ではない、として王族の妃になるのは望ましくないととらえられたのでしょうか?

堀江 そうでしょうね。欧米においては伝統的に「処女でなければ、まともな結婚は期待できない」という重圧があり、それを無視した生き方のセーラさんには好奇の目が(海を渡った日本の地でさえ)向けられたことは面白いですね。

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