インタビュー

「1日100錠」「ドス黒腸」女性に多い下剤依存の実態は!? 便秘の医師が「自律神経を整える」食事術を伝授

gezai01 「便秘を解消したい」「少しでも痩せたい」――こう願って“下剤”を服用する女性は、少なくないのかもしれない。中には毎日大量の下剤を服用する“下剤依存”の女性もいるというが、医療関係者などからは、危険性を指摘する声が上がり、依存状態の当事者からも「できればやめたい」といった悲痛な声が漏れているようだ。下剤依存の女性の実態、また下剤に頼らず生きることはできるのか? 『自律神経を整える最高の食事術』(宝島社)の著者で、大学病院として日本で初めて便秘外来を開設した、順天堂大学医学部付属 順天堂医院の教授・小林弘幸先生に話を伺った。

「下剤1日100錠」という依存者も

――世間には、下剤依存の女性がいるようなのですが、なぜそのような状態に陥ってしまうのでしょうか?

小林弘幸先生(以下、小林) 確かに下剤依存の女性はザラにいます。ベースにあるのは、やはり排便できなくなること、また排便できずに太ることへの“恐怖心”ですね。下剤を飲み始めるきっかけは、痩せたいとか便秘を解消したいといったことなのですが、飲み続けていくうちに、「下剤を飲まないと排便しない」「下剤を飲んでいないと太ってしまうのではないか」といったような強迫観念に駆られて、手放せなくなっていくようです。

 ただ実際には、下剤ですでに排出されて、腸内に出るものが残っていないから排便がないだけ。にもかかわらず、「出ないのは下剤の量が足りていないからだ」との思考に至って、服用量が増えていく傾向があります。私のところへ訪れる患者の方でも、たくさんいますよ。ダイエット目的で下剤を服用するようになった20~30代の女性では、1日100錠なんてザラ。

――ちなみに、どの程度下剤に頼っていると“下剤依存”と言えるのでしょうか?

小林 たとえ2~3錠でも、毎日飲んでいる時点で依存しているといえるでしょうね。下剤は市販品で簡単に手に入りますが、本来は便秘の症状があるときだけ服用するものです。使用量も、説明書などに書かれた量で留めなければなりません。もしそれでも改善しないときは、飲み続けたり量を増やしたりするのではなく、医療機関を受診するようにしてください。

――下剤を毎日飲むことで起こるリスクを教えてください。

小林 下剤にも種類があり、“大腸を刺激して排便を促すタイプ”のものがあるのですが、これを大量に服用すると、大腸が炎症を起こし、水膨れを経て、やがて真っ黒に変色します。やけどのあとの“かさぶた”と似た状態ですね。腸の働きも悪くなるので、太りやすくなったり便秘になったりして、逆効果になってしまいます。肌荒れや疲労感など、さまざまな症状も出てきますし、依存しているメンタル面も見逃せません。また、下剤の刺激は大腸がんの引き金にもなります。大腸がんは女性の死因第1位で、30~40代の患者さんも多いです。

――間違った方法で薬を飲むことで、体により深刻な悪影響を与えるのは恐ろしい話です。

小林 この“大腸を刺激して排便を促すタイプ”の下剤は、ドラッグストアなどで簡単に購入することができるだけに、依存を深めてしまうという面もあります。病院では、下剤を大量に処方することはありませんから。下剤に依存しているようなら1日も早く受診してください。一度真っ黒に変色した大腸でも、下剤をやめれば元に戻ります。依存期間が短いほど、また、年齢が若いほど、より早いですよ。

自律神経を整える最高の食事術
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