大久保ニューの【美のぬか床】 第15回

“シワ”を恐れるゆえの真顔はホラー!? 劣等感で表情をなくした女への「顔ダンス」のススメ

美しくなりたい――世の女たちの狂おしい思いを、「44歳、ゲイ、汚部屋に一人暮らし」の漫画家・大久保ニューが担ぎ込む! 古今東西あらゆる美容法に食らいつき、美を追い求める女の情念まで引きずり出す――

kao-dance.jpg
(C)大久保ニュー

 その本のタイトルを見た瞬間、思わず笑ってしまった。「生まれるべくして生まれたタイトルだね☆」と興奮すらした。その本とは、おきゃんママ著の『たるみが消える!顔ダンス』(世界文化社)だ。故・田中宥久子先生が提唱された「造顔マッサージ」から始まった「美顔メソッド本」の最新バージョン。ここ数年では「顔ヨガ」というのもあったが、「顔ダンス」って! 顔で踊るって、どうなるの!? なんだか「炙り大トロ」という言葉を初めて目にした時のようなワクワク感に包まれる。しかもこの本、Amazonでもずっとランク上位をキープ。「これは体験しなくちゃ☆」と、即購入したのは言うまでもない。

 「顔ダンス」という言葉に負けないくらい、「おきゃんママ」という著者名にも興味が惹かれた。想像した通り、ネットで有名になった方らしい。コスメの口コミ情報サイト「@コスメ」にて「人気口コミニスト」として火が着いたというから、美容信頼度の高い方なのだろう。本の帯にはご本人の「老け顔に悩んでいた38歳のころ」という確かにたるみの目立つビフォア写真と、52歳の現在の写真が載っているのだが、まったく年齢を感じさせない引き締まったフェイスラインには、ベストセラーたりえる説得力が宿っている。うん、踊らされる気持ちが盛り上がってきたよ☆

 結論から言うと「顔ダンス」とは「表情筋トレーニング」のことだった。口を大きく開けたり、目をグリグリ回したりして、表情筋を活性化させるエクササイズだ。私は平素、部屋にこもってばかりの生活なので、表情筋はだいぶ鈍っていたらしい。解説写真を真似て顔を動かすと、予期せぬ場所がピクピク痙攣したりする。その感覚はホットヨガに参加した時の身体の感覚の顔面バージョン。どうやら顔面もかなりの運動不足だったようだ。顔ダンスをひと通りやってみると、顔のあちこちに疲労感と充実感を感じることができた。表情筋が「いい汗かいたわ☆」と言ってるような気がした。

 本は、顔面のパーツごとに分かれた顔ダンスの写真つき解説が半分。そして顔ダンスを補足する美容コラムが半分の構成。コラムも美容心を煽る文句が続出で、最後まで前のめりで読むことができた。顔面も心も、引き締まったような気がする……が、「もっと、おきゃんママさんの写真が見たかった!」というのが正直な感想だ。まえがきの箇所に、数枚だけ顔ダンスをしている著者の顔写真があったが、本文ではモデルさんの顔写真。体験する側としては「おきゃんママさんぐらい、口が開くようにならなきゃ!」とモチベーションを上げたいものである。男には見せられないコッケイな顔を晒しあえたら、もっともっとおきゃんママさんへの信頼度が高まると思うんだけどなー。

ツラの皮1枚だけの美容ってすぐ限界がくるのよ!

しぃちゃん

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク