美容意識は遺伝子をも武器にする

見た目年齢を20代で止められるか? 急成長する遺伝子美容ビジネスの行方

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ランコム「ジェニフィック」から
遺伝子コスメのブームが始まった

 昨今のコスメ業界でのビッグヒットといえば、なんといってもランコムの「ジェニフィック」である。これはいわゆる”遺伝子”に着目した美容液(導入液)で、2009年に発売して以来、同ブランド史上No .1の売り上げ・リピート率を記録、昨年はNHKの経済番組『Bizスポ』で取り上げられるなどしている。この勢いは今年も続きそうだ。遺伝子コスメというと、その後もエスティローダー、シスレーなどさまざまな化粧品会社から発売されるに至っている。今年に入ってからもノエビアやディオールから遺伝子研究に着目した美容液が発売された。

 突如として遺伝子コスメが出現した背景には、2000年にヒトゲノム(ヒトの遺伝子の全体)が解析されたという医療分野の進歩があり、そこで蓄積されたデータが9~10年ほどで美容界へ転用されたという流れがある。体内の細胞にあるDNA(デオキシリボ核酸)はいわば、肌などの再生を行うための人体の設計図。つまり、DNA内の遺伝子によって近い将来の肌が予定されているので、遺伝子コスメといわれるものはこの遺伝子を修復したり、修復する活動をサポートしたりするようなメカニズムになっているわけだ。

 紫外線や老化によって肌がダメージを受ける時、遺伝子もまたダメージを受けている。シミやシワの情報をもとからケアすれば、一生20代の肌でいるのも夢ではないかもしれない。もちろん、遺伝子コスメを使ったからといって、遺伝情報に影響することはなく、将来の子どもの顔が変わるというわけではないので心配は不要だ。

 遺伝子がスキンケアの概念を変える一方で、遺伝子そのものを知りたいというニーズも出てきている。遺伝子を調べて自分の将来に起こるだろう美容・健康上のトラブルを未然に防いでいこうというものだ。

 このような遺伝子検査は、数年前からクリニックでガンなどの遺伝子を調べる検査として存在していたが、近年ではメタボリック症候群といった生活習慣病の遺伝子検査にも広がりを見せている。さらにダイエット、美肌といった美容の側面でも一つの指標として使われ出した。一体どんな人たちが自分の”遺伝子”を調べるのか。そしてその目的とは?

 2年ほど前から遺伝子検査を取り入れている自由が丘クリニックでは、予防医学の観点から生活習慣病の遺伝子検査を取り入れてきた。同クリニックによると、顧客のメインは40代、夫婦で受ける人も少なくないという。価格は外部の検査機関との提携のため3万9,900円と高めだが健康志向の高まりを受けて、反響はそこそこ良いらしい。最近では30代女性の検査も増えているとか。

 さらに化粧品会社でも遺伝子検査にアプローチする動きがある。ドクターシーラボではダイエットと美肌のための遺伝子検査キットを販売。価格は肥満遺伝子検査が8,190円、肌老化遺伝子検査が1万500円となっている。検査方法は、綿棒で頬の内側の粘膜を採取し、自分で分析センターへ送るという手軽なもの。昨年発売した肌老化遺伝子の方は日本初の製品で、シワ・しみ・たるみなど肌の老化傾向が分かり、その傾向に合わせた効果的なケア方法をアドバイスする。ただ、同社によると売れ行きはダイエットの方が数倍上とのことで、肌トラブルに関しては未だ”遺伝子は分かりにくい”ということらしい。肌の老化は、外的・内的な要因とその結果がはっきり一致しないのが理由だ。

 それに比べてダイエットの方は、代謝作用が個人によって違うので自分のタイプを知ることにより効果的なダイエット法を知ることができるため人気なのだ。巷にあふれる遺伝子検査はその性能や検査項目の数などによって価格に差がある。一種の占いのような楽しさを感じさせる遺伝子検査だが、”遺伝子”は究極の個人情報なのでできるだけ信頼のおける機関に依頼することをおすすめしたい。
(庄司真紀)

ランコム・ジェニフィック 50ml (美容液)

医療と美容の距離が近くなったな

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