[女性誌速攻レビュー] 「VERY」6月号

「3.11」以降の「VERY」はどうなる? 「お受験」「教育」に大きな変化

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「VERY」11年6月号/光文社

 今月の大特集は「白ファッションで石鹸香る、イイ女」です。う~ん、ツイスト「燃えろいい女」を思い浮かべると暑苦しいですが、井川遥の表紙はとってもさわやか。リードによると、

「石鹸の香り。その優しく清潔感があって母らしい香りは自分自身も心地よく、パパも子供も、そしてママ友からも好かれる香りです。(略)今月号では、石鹸香るファッションを考えました。――結論は白。」

 はい、答えはただの「白」特集でした。白Tシャツやらパンツやらマキシスカートやら、白がてんこ盛り! 

 ほかにも「今一番したいこと。男の子ママだってスカートがはきたい!」「新顔学校パンツはテーパード」「新学期お揃いネットワーク小物」という、「VERY」らしいけどタイトルだけじゃイマイチ分からない企画や、「VERY」の聖地・二子玉川をフィーチャーした「二子玉川(ニコタマ)リーダーたちの最新通いつめSHOPはここだ!」という企画まで、とにかくファッションページは充実。「VERY」信者なら、今月号は買いですよ!

<トピック>
◎白ファッションで石鹸香る、イイ女
◎お受験の花道
◎コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?

■「VERY」読者が命を懸けていたお受験はどうなる?

 度々レビューでもご紹介してきた、「お受験の花道」が最終回を迎えています。「連載を終えて」には、このコーナーを始めた経緯、お受験に絡む親子関係などが書かれてします。一部抜粋しますと、

「20世紀前半に活躍したアメリカの著名な弁護士クラレンス・ダロウ(1857~1938)の言葉(略)『人生の前半は親に台無しにされ、後半は子どもに台無しにされる』。子どもは自分の延長、とばかりに自らの価値観を押し付けてくる親に潰される子どももいれば、時間もお金も体力も、そして感情も、その大半を子どもに奪われ疲弊する親もいる」

「3.11以降、これから数十年続くと言われる経済リセッションのなか、私たちはレベル7の見えない恐怖に怯えながらも、これまでの価値観をひとつひとつ点検し直し、組み換えながら(それは案外心躍る作業かも)何とかやっていかなければならない。価値観カスタマイズの過程で、「お受験」がどのようなステータスを得るのかはわからないが、親子の関係がこれまで以上にそのプライオリティを増していくことだけは確か」

 もしかしたら、この連載が終わるというのは震災前から決まっていたことかもしれません。それでも、「お受験」といういわば「VERY」を象徴するコラムが終了することに、これから来る経済転換期を感じずにはいられません。そこにおいては、「お受験」がどういう意味を持ち、どう求められるのでしょうか。そして「VERY」と「お受験」の距離感はどう変わっていくのでしょうか。レビューを書いている身としては、今後も注視したいと思います。

■「特権の世襲」が終わる未来

 そして今月号で一番読むべきは、小島慶子氏の連載「コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?」です。コラムでは今後の日本で、親としてどう子育てをしていくのか、小島氏の真摯な思いがつづられています。コラムは震災直後、立教新座高校の校長が卒業生たちに贈った言葉から始まっています。

「恵まれた環境の子どもたちが当たり前のように大学に進学していく有名私立高校の校長先生が『貧しさを恐れるな』と説いたことに、私は強い印象を受けました。つまり、親が歩んできたのと同じ成功の方程式はこれからはもう通用しなくなるということを、何世代にもわたって裕福な家庭の子どもたちを集めてきた学校の校長が言ったのです」

「一度、親が設定した安全圏に入ってしまえば、人生はある程度保証されるはずだと。それがもう通用しなくなる、その価値観を捨てなさい、現実を見なさいと、校長は説きました」

 そして、原発事故から放射線パニックになっている多くの母親に対しても、「その情報は、あなたに手を差し伸べているか」と情報の見極めを促し、疎開については「それぞれの暮らしの優先順位に基づいて合理的に判断した結果の行動です」とニュートラルに受け止めています。今後、震災のつめ跡をとともに生きて行くことについても、「あらゆることにリスクはつきものだということを受け入れなくてはなりません」とした上で、

「子どもが傷つかずにすむよう、親が『安全な』環境を用意し続けることは、危険を前にして『リスクはない』と現実から目を逸らす、脆弱で無責任な人間を作りかねません。もし、自分の子どもを本当に守りたいなら、安全圏にいる特権ではなく、人生は何が起こるか分からないという現実と向き合う力を与えることです」

 と、震災によって「VERY」的な世界と真逆な価値観を生きていかねばいけないと語っています。「VERY」読者の多くは何代も裕福な家庭で育ち、”特権”を持っていることにすら無自覚な人が多くいらっしゃいます。そして普段誌面で東京・神戸・名古屋を取り上げているように、多くの読者は被災地外に住んでいます。「特権」と「被災地外」という二重のフィルターに守られてきた親たちが、「安全圏」がなくなるであろう未来を生きる子どもたちに、何を教え、どう育てていくのか。「VERY」読者が負った課題はあまりに重い。答えは誰も持っていないし、これらが「VERY」読者にどう響くのかも不明です。それでも、二児の母でありながら、冷静に今回の震災について深く言及した小島氏に拍手を送りたいと思います。

 ほかにも女性特有のがんとセックスについて率直に斬り込んだ「がんになっても女です」や、ドラマで共演中の井川遥と反町隆史の対談「反町さん、父親ってどうですか?」など読み物ページも充実です。今月号で最終回を迎えた「お受験の花道」と「いじめない力、いじめられない力」に代わる新コラムは、来月号に登場するのでしょうか。予告を見る限り、「真夏の学校説明会服、クールダウン計画」というファッションページが一番面白そうなのですが……。
(小島かほり)

「VERY」

田舎のセレブ志向女子は何を目指せばいいいのだろう

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