[女性誌速攻レビュー]「VERY1月号」

妻とのセックスは近親相姦!? 「VERY」の「イケダンの真実」が怖すぎる!

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「VERY」 2011年1月号/光文社

 今月の「VERY」、イチオシページは「2011年NEW YEAR お履き初め 『美黒パンプス』を新調しよう」です。何と言っても、「お履き初め」という語彙センスに胸打たれました。シーン別にアイテムが紹介されているのですが、写真に添えられた「卒入園式は控えめデザインで”みんな一緒”から脱出」「悪目立ちは避けたい場所ではシンプル美を追求」などの短いフレーズに「VERY」読者の特徴がギッシリ。「隙あらば出し抜いて目立ちたいけど、反感を買うのは避けたい」……同性からの監視に雁字搦めにされた学生時代、OL時代を卒業し、主婦になってもなお、自己顕示と協調性の狭間で揺れる女心。一歩踏み出せば、なんてバカバカしいことに悩んでいたんだろうと気付くんでしょうが、人間、その最中にいるときは問題の本質を見抜けないものです。と、たかが靴の特集で長くなってしまいましたが、今月号の目玉はブックインブック「イケダンの真実」。期待しましょう。

<トピック>
◎感動のコスパブランド新勢力図
◎公開。愛される人の「時間割り」
◎ブックインブック「イケダンの真実」

■日本語なのかも不明

 まずは大特集の「感動のコスパブランド新勢力図」。ここでも、企画趣旨のリードから、自意識過剰が目に付きます。

「(略)今やファストブランドは見逃せないワンジャンルに。でも飛びついて買うと失敗したり、私たちのワードローブの定位置を担うにはまだまだ、というイメージも」

 おおっと、来ましたよ、上から目線が……。昔はユニクロだって編集記事では御法度だったのに、定期的に広告が入れば「使えるユニクロジーンズ」という特集だってやっちゃう始末。そのくせ、「VERY」読者は「その服、ユニクロじゃない?」って指摘されると、「これ、ユニクロじゃないし」と頑なに否定しそうですよね。どこのブランド着ているかより、高そうなブランドに”着られて”ないかを気にして欲しいものです。

 そんな小言はいいとして、この特集はキャラクターの個性に合わせて、おススメブランドを紹介しています。しかし、そのキャラ名が筆者にはさっぱり分かりませんでした……。「ストッケ」さんは、北米のベビーカーブランド「ストッケ」を愛用する姉御肌タイプ。「アルハンブラ」さんは、最高級ジュエリーブランド「ヴァン クリーフ&アーペル」のアルハンブラコレクションをコレクター並みに所持するコンサバ派。「マダム・バーキン」さんは20代のOL時代にすでにファーストエルメスをゲットしていた、見た目は上品、心はミーハーな奥さま。「ミセス・オーガニック」はオーガニックや無添加食材にこだわり、ファッションはボーイズアイテムを取り入れるのが上手いんですって。……まあ、これだけ見ても、相変わらず「VERY」が我が道を歩いていることがお分かり頂けるかと思います。といいつつ、アルハンブラ→「アブラハムの子」の歌が頭の中でエンドレスリピートされている筆者も我が道を行っているんでしょう。

■問題に向き合う時間を作ろう

 続きまして、第2特集「公開。愛される人の『時間割り』」です。「VERY」読者は家事に、子育てに、仕事に大忙し。ただでさえ忙しいのに、みなさん「自分時間」とやらを無理やり作って、読書やら通信教育やら、ゴルフレッスンやらでさらに大忙し。たまにいますよね、「手帳を埋めることに一生懸命」な人。時間が空くと、「私の人生、主婦業だけで終わっちゃうのかしら?」って不安になることを阻止したいのでしょうが、たまには「見栄張って、お洋服とお受験のことばっかり考えていていいのかしら?」と考える時間も作ってほしいものです。

■「男女は分かりあえない」ということを強調したかったのかしらん?

 それでは、とうとう「イケダンの真実」を拝見しましょう。「VERY」においては、「美しい私」のアクセサリーとなりつつある、イケダン。一般人の腹筋&ギャランドゥがアップの表紙をめくると、政井マヤ、畑野ひろ子の旦那たちが土鍋ごはんやらパンケーキやらオシャレなものを作っています。そんな中、「イケダン」要素が1%もない、昭和芸能界の最後の継承者・中山秀征が登場。さすがはヒデちゃん、溶き卵に醤油を入れて、レンジでチンした「玉子ポン」という料理を披露。シャレオツなんて求められていないことを熟知しています。

 続いては、「しゃかりきパパチャリSnap!」。今や世田谷区・目黒区の朝の光景となっている、電動自転車(もしくはブランド自転車)にブランドバッグ&サングラスという、「正気か?」と目を疑いたくなるママチャリ集団ですが、これを文化に昇格させようとイケダンも巻き込まれています。子ども&子育てという2枚カードで、”パパチャリ”をオシャレにさせようとしていますが……。その努力、察してあげてください。

 そして、いきなりギアチェンジで、「セックスレスイケダンの憂鬱」というインタビュー記事へ。セックスレスだという36歳の夫(妻は34歳)は、「子どもができると妻が母親に移行します」というお決まりのセリフを吐かれた後に、衝撃の一言。

「気分は『近親相姦』です。タブーですよ(笑)」
「同じ女性といつまでもセックスするなんて、生物学的にみても『変態』なのではないでしょうか?」

 こんな女性を敵に回すようなインタビュー記事の後で、一般人4人のイケダンを紹介するページに突入するのですが、これがムダにエロい。基本が半裸で、ベッドサイドだったり、腹筋の上にぷにっとした脂肪がのった裸体にうっすらと汗が……。

 そして、その後には「イケダンに聞く『立ち会い出産』の本音」! え、なに、セックスレスな旦那の邪悪な本音を知った上で、他人の夫の半裸を見て気分を盛り上げ、身籠ってくださいね、というメッセージ? 「イケダンの真実」の方向性がまったく分かりません。夫の本音と妻の理想がごった煮された30ページは、読めば読むほど戦慄します。

 今月号は「イケダンの真実」が濃すぎて、ぐったり。読後感が、「パートナーの携帯を盗み見して、グレーポイントを見つけてしまった時の心のざわめき」と同じぐらい、奈落の底に落とされた気分です。そんでもって、来月号は「うちに限ってまさか! の『夫のウツ』」という企画まで。「VERY」は読者に清々しい気持ちで新年なんか迎えさせないようです。年が明けたら、「婦人公論」と「VERY」の見分けがつかなくなっているかもしれませんよ。
(小島かほり)

「VERY 」

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