[女性誌速攻レビュー] 「VERY」7月号

「VERY」創刊15周年記念号に落とされた、桐野夏生という爆弾

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「VERY」10年7月号/光文社

 前回お伝えした通り、創刊15周年記念号となる今号の特集は「理想の母親像白書」。女性誌の創刊記念号の割には地味……とお思いのアナタ、今一度「VERY」のコンセプトを確認しましょう。キャッチは「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」です。「基盤」=家族、母親という立場。それなら、この特集は妥当でしょう。理想の母親像は、真矢みきか野際陽子か、大穴「辻希美」か。果たして?

<トピック>
◎「理想の母親像」白書
◎別冊付録 桐野夏生新連載小説「ハピネス」
◎最愛ブランドプレゼント!

■栄えある理想の母親第1位は?

 では、「VERY」読者が選ぶ、理想の母親像の発表です。第1位は……「母」。そう、自分の母親なんですって。まあ、普通に考えたらそりゃそうだけど、読者としてもそこはお約束の上で、「野際陽子!」とか答えるもんなんじゃ……。でも、日々、子どもたちをお受験にさらし、自分も「VERY」で紹介されているコーディネートに身を包み、塾やらPTAやらお買い物に勤しんで、「うちの家庭が一番幸せ!」と思っている読者層を思えば、「うちが! うちの親が!」という前のめりな姿勢は当然かもしれません。「VERY」ウォッチャーとして、読みが甘いようでした。すんません。

 そして「理想の妻像」は、1位後藤久美子、2位黒木瞳、3位堂珍敦子。同誌モデルの堂珍敦子は別として、1位と2位の存在の意味合いって全く違うような気がするのですが……。旦那に稼ぎを貢がれつつ”美しくあること”を求められる妻と、夫の存在なんて微塵も感じさせない女王的支配の妻。でも読者の理由を見てみると、「美を保ちつつ色気も魅力も満載」「美しい」「美しさを保ってる」「いつまでも輝いてる」って見た目だけかい! ま、若く美しくあることがすべての光文社価値観なら、しょうがない順位なんでしょうけどね。

■いよいよお時間です

 今月号は、15周年のお祝いページ(ブランドとのコラボグッズの紹介ページ)やファッションページが充実していて、いつもよりもカタログ的。特に目ぼしい記事がないので、本体はもうスル―しちゃいましょう。

 今月号は、直木賞作家・桐野夏生の新連載が今月のみブックレットとして差し込まれています。桐野氏と「VERY」って、それこそ「日本沈没」ぐらいの非常事態じゃない限り、接点がなさそうな気がするのですが……。ファッションと家庭が第一の「VERY」において、友人の夫の死体をバラバラに解体したり、誘拐犯と被害者との歪んだ愛を語ったり、無人島での性と生のサバイバルを書いたりしちゃうのでしょうか。

 もともと女のわずかなヒエラルキーから生まれた負の感情や、理性を超えるほどの他人への嫉妬など、人間の闇と欲望を発芽させ、物語へと成長させる桐野氏だけに、お受験やPTAなどを取り上げている「VERY」という土壌は意外と合っているのかもしれません。

 そして桐野氏から読者へのメッセージとして、

「これから始まる『ハピネス』は、実はとてもアンハッピーな、若いママの物語です。ぜひ、読んでみてください。あなたの現実が牙を剥く前に」

 とあります。こわっ!! こんな爆弾、「VERY」読者は受け止められるでしょうか。物語の詳細などは、ぜひその目で確認を。

 というわけで、創刊15周年号は隙のないつくりで、新たなファンを獲得するというより、「VERY」常連さんに捧げる1冊になったようです。ただ、公式ページでは、「小学2年の娘が自慰行為をして先生に怒られる」という深刻な(いや、からかうのではなく本当に深刻な)質問が飛び交っていたり、ママ友に娘ともども仲間外れにされているという質問が飛び交っていたり……。桐野先生、「VERY」読者は意外と連載を待ち望んていたかもしれませんよ! 16年目にして、いよいよ過酷な現実に目を向ける時間がきたようです。
(小島かほり)

「VERY 」

VERY読者が抱える闇って半端なさそう

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