『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』暴力を振るい介護施設から出禁に……「ありのままでいいじゃない ~いしいさん家の人々~後編」 

2022/08/08 18:44
石徹白未亜(いとしろ・みあ)
写真ACより

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。8月7日の放送は「ありのままでいいじゃない ~いしいさん家の人々~後編」。

あらすじ

 介護業界でも異色の施設と呼ばれる、千葉県の宅幼老所「いしいさん家」。認知症や統合失調症など、暴力・暴言といった問題行動を理由に他施設から「お断り」された人たちが集まっている。

 「いしいさん家」を運営する石井英寿は大手介護企業に就職するも、効率重視の施設運営に違和感を覚え、いしいさん家を16年前に立ち上げる。

 石井は「暴言・暴力とか、唾を吐いたりとか、そういった人たちを向精神薬とか、薬で抑えつけられちゃっている人とか、縛られている人も見てきたので、いっぱい。80~90歳でそんな人生の最後でいいのか」「(薬を)抜いちゃおうよ、『ありのままのその人でいいでしょ』というのが根本にあって」と話す。

 いしいさん家ではスタッフと利用者はほぼ同数と、手厚い介護をしているが、「ありのまま」を受け入れる施設スタッフの苦労は相当なもので、スタッフの手には生傷が絶えない。

 デイサービスでいしいさん家を利用する、46歳の2児の父親で統合失調症のヤマピーは、普段は穏やかだが、ふとしたことで態度が一変、激昂する性質だ。ヤマピーは医師である父親からの暴力、暴言がひどかったといい、事あるごとにその話をスタッフに延々とする。ヤマピーの“もっと話を聞いてほしい”という不満は日に日に強くなっていき、それをたしなめたスタッフの福田に対し、アザが残るほどの暴力を振るってしまう。

 福田をはじめ5人のスタッフがいしいさん家から去り、石井が月に20日夜勤を行う過酷な勤務体制になる。ヤマピーはいしいさん家から出禁になり、自宅でも外でも大暴れして、警察官も振り切ってしまうような有様で、妻に家を追い出され、実家に身を寄せている。

 石井は、妻であり共に施設を運営する香子にも、外出の目的を伝えないまま姿を消すことがある。そのため、スタッフは石井ではなく香子へ不満を伝えている状況で、こうした声を聞こうとしない夫について、「彼は天狗になっていた。『威張らずいこうね』『おごらずいこうね』ということだけ伝えた」と香子は話す。

 そこで、石井は全職員を集めたミーティングをあえて外部施設を借りて行う。会は和やかな雰囲気で進んだものの、その最後に石井はヤマピーの再受け入れを提案し、ミーティング会場はどよめく。石井、もしくは妻の香子がいるときだけヤマピーを受け入れ、スタッフに手を出したら支援をやめるという前提で受け入れることになったものの、スタッフの一人が思いもかけない提案をする。

 それは、もとは介護職だったヤマピーに、施設利用者としてではなくボランティアとしていしいさん家に参画してもらう、というものだった。その意外すぎる提案にヤマピー自身も困惑気味で、当初は何もせず施設の片隅に座っていたが、番組の最後では介助の手伝いをしているシーンも映されていた。

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