老いゆく親と、どう向き合う?

ケアマネは見た! 50代の娘が引きこもりに……富裕層の暮らしから一転、エリート家族の闇【前編】

2022/02/06 18:00
坂口鈴香(ライター)

壮絶な「8050」

 壮絶な「8050」(※)だった。

「種子さんは小百合さんを不憫に思ったのか、小百合さんから拒絶されるのを恐れたのか、小百合さんの要求を拒むことなく、すべて受け入れていました。小百合さんから言われるままにお金も渡し続け、とうとう多額の借金を抱えてしまったんです」

 小百合さんはどうも投資に多額の資金をつぎ込んでいたらしい。お金を要求しては暴れる小百合さんを見かねて、当時のケアマネジャーが小百合さんを入院させようと奔走したが、種子さんが拒否した。

「小百合さんをだますようなことをしたくないとおっしゃったそうです。小百合さんの暴力や暴言は種子さんにしか向かわないのですが、それも小百合さんが心を許せるのは自分しかいないからだ、と思っている。蓄えてきたお金もなくなるし、種子さんの心身ももうボロボロなのに」

 ついに、種子さん夫婦は自宅を売り、小さなマンションに移らなければならなくなった。

※80代の親が50代の引きこもりの子どもの生活を支える状況

――続きは2月20日公開

<経験談を聞かせてください>
親の老化や介護にまつわるエピソードを紹介するコラム「老いゆく親と、どう向き合う?」。読者の皆さんの経験談を募集します。友達とおしゃべりするような気持ちで、きれいごとではないリアルな話を聞かせてください。お聞かせいただいた話をもとに記事を作成します。

 なお対面ではなく、電話やSkypeなど通話アプリを利用しての取材になりますので、遠方の方でもお気軽に下記フォームよりご応募ください。

西島秀俊&内野聖陽主演の人気ドラマが映画に! 同性カップルの日常を描いた劇場版『きのう何食べた?』鑑賞券プレゼント の画像2

坂口鈴香(ライター)

坂口鈴香(ライター)

終の棲家や高齢の親と家族の関係などに関する記事を中心に執筆する“終末ライター”。訪問した施設は100か所以上。 20年ほど前に親を呼び寄せ、母を見送った経験から、 人生の終末期や家族の思いなどについて探求している。

記事一覧

最終更新:2022/02/06 20:10
小説8050
エリートも無縁じゃない
アクセスランキング