「元極妻」芳子姐さんのつぶやき106

最近、「職務質問」が増えたワケとは? 元極妻が教える、職質される基準と対応策

2021/05/23 16:00
待田芳子(作家)

職質のフリをして女子高生の太ももを盗撮

 仮にオリンピックが中止でも職質はなくならないので、対策を考えてみたいと思います。これも以前も書かせていただきましたが、女性はよっぽどラリってるとか「不審全開」でなければ、まず職質はされません。

 でも、おまわりさんには裁量があり、それを悪用する不届き者もいます。たとえば2013年には、大阪府警の巡査が女子高校生に職質を装って声をかけてカバンを開けさせ、隙を見て携帯電話で太ももを盗撮した事件がありました。

 この巡査は、府迷惑防止条例違反(卑わいな言動)と公務員職権乱用の罪で起訴されて懲戒免職処分にされていますが、今頃どこで何をされているのでしょうね?

 不審に思った女子高生のご家族の通報でめくれた(発覚した)ようです。報道によりますと、巡査のケータイからは女子高校生の太もも写真など画像460枚が見つかり、うち350枚は勤務中に撮ったものらしく、「JKの太もも大好きおまわりさん」はかなりインパクトがありました。

しつこい所持品検査で警察が敗訴

 そもそも女性は、同性であっても他人に見られたくない持ち物が男性よりあるから職質されないのかなと思うんですが、いましたね、カバンの中の「大人のおもちゃ」を見られた男性。執念で国賠を起こして警察に勝っているのもすごいです。

 なぜそんなものを持ち歩いているのか疑問といえなくもないですが、報道によりますと、男性は「検査に応じる選択肢しかないような状況に追い込まれた」そうで、これはダメですよね。そもそも男性は、車のトランクの検査には応じていました。「カバンはちょっとカンベンして」ということだったんですね。

 それでも、おまわりさんたちはしつこかったわけですが、具体的に男性のどこが「あやしかった」のか、裁判の時には覚えていませんでした。そんな程度なのに、しつこかったのはどういうわけなのでしょうね?

 裁判所は、「(男性から職質の)承諾が得られなかった段階で検査を終え、男性を解放すべきだった」としています。「真意の承諾」がなく、必要性や緊急性も欠いていたことと「プライバシー侵害の高い行為で、相当と認められる限度を逸脱している」ということで、県に3万円の賠償を命令しています。県警も控訴せず、確定しました。

 「勝っても3万円じゃねえ」と思われるかもしれませんが、国家権力に勝ったんですから、すごいことですよ。もちろん警察側は「職質ができないと国民を守れない」というスタンスですから、この判決には納得できていないようです。

 これらはレアなケースですが、現場の裁量でなく、きちんとガイドラインを作らないと、似たようなことはまた起こると思います。あまりにも納得できないときは、動画で記録しておくことをお勧めしますが、勝手にネットとかで流すのは控えたほうがよさそうです。あくまで記録ですね。

 あとは、オリンピック問題が落ち着くまで、他人様に見られると微妙なものは持ち歩かないでおきましょうか。

待田芳子(作家)

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2021/05/23 16:00
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