「元極妻」芳子姐さんのつぶやき183

工藤會、高学歴ヤクザの「仕事」が話題! カナダで防弾車買いつけ!? 外国マスコミ取材も?

2024/05/05 17:00
待田芳子
写真ACより

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

目次

国立大や有名私立大学出身のヤクザもいる
孤独と貧困から這い上がる
「餃子の王将事件」のヒットマンも青学中退

国立大や有名私立大学出身のヤクザもいる

 今どき週刊誌を買って読む方って、どのくらいいらっしゃるのでしょうか?

 私はアナログ派なので、わりと買うほうなんですが、「週刊ポスト」(小学館)5月3日・10日号に掲載された『元工藤會幹部の獄中手記「私はなぜ東京外語大から最凶組織の“広報”になったか』は元極妻的には興味深かったです。ネットでは大反響という感じでもないですが、私の周囲ではけっこう話題でした。

 手記を書かれた伊藤明雄さんは、現在50歳。せっかく一浪して外大に合格したのに、稼業入りされてます。

 まあ、さすがに東大や藝大は見たことないですが、地方の国立大や有名私立大学出身のヤクザも、いるにはいるんですよ。だいたいは「勉強はできたけど落ちこぼれ」と自称して寂しそうなんですが、伊藤さんは得意の英語を生かしてカナダで防弾車を買いつけたり、外国のマスコミの取材対応をしたりと、優秀さを発揮していたようです。

孤独と貧困から這い上がる

 ていうか「なんでそんなに優秀なのに工藤會?」というところが疑問すぎますよね。

 実は、伊藤さんが高校生の時にお母様にがんが見つかり、その治療のためにお父様が借金したのに、そのかいもなくお母様は亡くなられています。しかも弟さんは伊藤さんが大学生の時に事故死してしまいました。

 休学して帰宅した伊藤さんを待っていたのは、「抜け殻のように」なったお父様。ご実家には借金取りが頻繁にやってきて、お父様は蒸発したそうです。

 これじゃあ、もうヤクザになるしかなくないですか? 独りぼっちで貧乏なのに、「もっとがんばりなさい」とは、少なくとも私は言えないです。

 授業料を払えずに除籍になってからは、いろんなバイトをして、闇カジノバーの店員をしている時に工藤會の関係者と知り合ったそうです。

 その後は「頭角」(っていうんですかね)を現して、企業舎弟になります。カタギのままでヤクザの子分として、なんと年に3億円以上も「上納」していたそうです。それで25歳で稼業入り。

「私にとって稼業入りすることは、人生の恢復(かいふく・元の状態に戻すこと)だった。社会のルールから外れた仲間たちと共に、ここから這い上がっていきたいと思った」
「血を分けた本当の家族を失った私にとって、盃で繋がる一家が本物の家族だった」

 伊藤さんはこうつづられています。

 なりたくてヤクザになる人はまずいませんが、伊藤さんにとっては、それなりに居心地のいい場所だったのでしょう。私は、それはそれで仕方ないかなと思います。

 25年前なら、暴対法や暴排条例が今ほど厳しくない時代ですから、合法的なシノギも多かったと思います。生活が安定した頃にお父様とも連絡が取れたそうです。

「餃子の王将事件」のヒットマンも青学中退

 一方で、伊藤さんは実名よりはむしろ、学歴を明かすことに抵抗があったようで、「最終学歴は『東京外語大学ロシア東欧語学部除籍』となります。私が自ら外大を出身校と喧伝するのはおこがましく、学部名を公表することで工藤會という悪名がたいして人数もいない学部生の誇りに傷つけてしまわないかと心配しています」とつづっています。

 記事には、こうした伊藤さんの個人的な事情と併せて工藤會の動向も書かれていますが、ちょっと盛り込みすぎでしたね。

 20年以上前の「クラブ手榴弾投げ込み事件」とか、もっと端折ってよかった気がします。とはいえ、この件でむしろ「(みかじめ料を払うから)用心棒になってほしい」という依頼が増えて伊藤さんたちは潤ったそうですが。

 工藤會は、「餃子の王将事件」で逮捕されたヒットマンが青学中退だったことも話題になりましたね。ヒットマン氏も「大学や勤務先よりも工藤會のほうが居心地がよかった」と実話誌に明かされていました。

 このヒットマン氏の裁判がまだ始まらないことについてはまた書きたいですが、伊藤さんは獄中で組織を脱退されたそうですから、出所後は活躍の場もいろいろあると思います。がんばってほしいです。

最終更新:2024/05/05 17:00
極姐2.0 ダンナの真珠は痛いだけ 電子書籍版 / 著:待田芳子
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