コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験生の母、「下の子を放置してしまう」問題……きょうだい間の「教育費格差」は遺恨となる?

2020/04/26 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

 そのまま順調に年を重ね、長男、次男が希望の大学に通うようになった頃、都立高校に行っていた三男が突然、不登校になったそうだ。このままでは出席日数不足で学歴が中卒になってしまうと焦ったミホさんが、筆者に相談を寄せてくれた。

「三男に『兄貴たちばっか贔屓しやがって!』って怒鳴られました……。何の問題もなかったあの三男が鬼のような形相になってしまって。決して、お兄ちゃんたちだけを可愛がったわけではなく、むしろあの子は末っ子なんで、甘やかしてたくらいなんですよ。やっぱり、この甘やかしがいけなかったんでしょうか……」

 三男と筆者は、直接話をしたわけではないので、彼の本当の気持ちはわからない。しかし、子どもというものは、最も身近で比べやすいきょうだい間で、絶えず、親の愛情の量を計測しているものなのかもしれないと、よく思うのだ。

 特にきょうだい間での「教育費格差」は、子どもたちに「親からの愛情格差」として捉えられやすく、これは生涯にわたって遺恨を招くものだという印象を持っている。中学受験に初参入する際にはぜひ、下の子のことも同時に考えながら、本人たちに「格差」を感じさせないような計画性が必要なのだ。

 

鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー、受験カウンセラー、介護アドバイザー。我が子と二人三脚で中学受験に挑んだ実体験をもとにした『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などで知られ、長年、中学受験の取材し続けている。その他、子育て、夫婦関係、介護など、特に女性を悩ませる問題について執筆活動を展開。

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最終更新:2020/04/26 16:20
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