“中学受験”に見る親と子の姿

中学受験に失敗、「絶対人に言えない学校」に入学――心が折れた優等生は「再生」できるのか

2020/03/28 19:00
鳥居りんこ(とりい・りんこ)

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

写真ACからの写真

 受験は数字の世界だ。「1点」が受験生の明暗を分けることも普通に起こる。例えば、同じ学校を受けたA君とB君が、入試で1点差だったとして、2人に学力の差はないに等しくても、A君は合格、B君は不合格となる場合がある。なんともシビアな世界なのだ。

 もう一つ、受験生たちを追い詰める「数字」が存在する。塾がランキングしている学校格付けである。大学受験ならば、生徒それぞれの志望学部や学科が違うために、「偏差値が高ければ高いほど良い大学」とはならない傾向があるが、中学受験はいまだに「偏差値が高い=価値ある学校」という刷り込みがなされやすいので、それが子どもの心を蝕むケースが出てくることが問題なのだ。例えば、本来想定していたよりも偏差値の低い学校にしか受からなかったとき。「偏差値」の刷り込みをされた子どもは「なぜこんな価値のない学校に……」と心を荒ませることがある。

 この連載は、「中学受験を通して見る親子関係」がテーマだが、この問題においては、学校側の「子どもを再生させる力」も問われるように思う。今回はちょっとした番外編として、ある元中学受験生と、その子が入学した学校の校長先生の話をつづってみたい。

「塾の下位クラスをバカにしていた」優等生のつまずき

 かつて中学受験生だった山田未希さん(仮名)も、「偏差値が高い=価値ある学校」という刷り込みの「被害者」だったのかもしれない。彼女の通っていた塾では、クラス分けは成績順、座席も成績順。指定された席が教室の後方ならば、翌月は下位クラスに“格下げ”となる可能性がある“崖っぷち”状態を指したという。未希さんは成績上位クラスに所属していたが、そこでは選民意識がはびこっており、下位クラスの子たちをバカにする習慣があったのだそうだ。

 室長の「最低でも〇中学以上でなければ勝者とは呼べない!」という鼓舞によって、クラスの士気は一気に高まり、受験本番を迎えたと聞く。そして結果が出た。

 クラスのほとんどの子たちが「ここならば納得」という学校に合格を決めた中、未希さんのみが「絶対人に言えない学校」にしか合格が取れなかった。結局、塾主催の祝勝会も欠席し、家に引きこもったという。

 そして、4月が訪れ、未希さんは「絶対人に言えない学校」というY学院に入学した。その制服を着ていることを近所の誰にも知られたくない一念で、人がまだまばらな早朝に家を出て、開門時間に合わせて登校するという日々を送っていたのだ。

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この校長、さては人たらしね!

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