気取らずに、素顔を晒してる!

YouTube、ネトフリ、アマプラで今すぐ見られる! ビヨンセ、テイラー、ジャスティンの等身大ドキュメンタリー

2020/04/12 11:00
堀川樹里(ライター)

ここまで素をさらけ出した? ビヨンセとガガの覚悟

ビヨンセ 『Homecoming』(19) Netflixで配信

 18年、アメリカ最大の野外フェス『コーチェラ・ヴァレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル』で、黒人女性ソロアーティストとして初のヘッドライナーを務めたビヨンセ。今作では、その時の迫力あるパフォーマンス映像と共に、なぜ黒人ミュージシャン、ダンサー、バックシンガーばかりを集めたのか、なぜ「ホームカミング(アメリカの高校や大学が毎年開催する、卒業生を招待する同窓会的な伝統行事のこと)」というテーマにしたのかを、ビヨンセが自分の言葉で説明。ステージに込められた熱い思いを聞くことができる。

 17年にもコーチェラのヘッドライナーが決定していたのに、予想外の双子の妊娠でドクターストップがかかり、出演を1年延期したビヨンセ。出産時体重が98kgにまで増え、妊娠高血圧症候群を発症。体内で双子のひとりの心拍が数回停止したため、緊急帝王切開になったことを告白している。激増した体重、帝王切開の傷の痛み、体調を考慮しながら慎重に、なおかつコーチェラに間に合うように体を絞らねばならず、想像を絶する努力を重ねる姿も紹介されている。

 完璧主義なアーティストの顔、一人の母親・妻の顔も見せており、リハーサルには夫のジェイ・Zや長女ブルー・アイビーが立ち会ったり、休憩中に授乳できるよう控室に双子を連れてきたりと、仕事と家庭を両立させるべく奮闘するレアな姿も見ることができる。

 ビヨンセは16年にリリースしたビジュアル・アルバム『レモネード/Lemonade』で、ジェイの浮気など夫婦の問題について赤裸々に語っていたが、『Homecoming』では夫婦仲はとても良く、「関係修復に成功し、落ち着いた良い家族を築いているように見える」と、ファンを安心させた。

レディー・ガガ 『Five Foot Two』(17) Netflixで配信

 16年10月に発売した、通算5枚目となるスタジオアルバム『ジョアン』の制作、17年にパフォーマンスしたNFL優勝決定戦『スーパーボウル』のハーフタイムショーへの準備を中心に、ガガが本音を語るドキュメンタリー。

 楽しみながらレコーディングを進めるものの、完成間際になると情緒不安定になる姿。また、女優としても素晴らしいキャリアを積み重ねているのに、「成功するたびに、付き合っていた男性とダメになる」と気弱になる一面も見せる。

 カメラは、持病の線維筋痛症によって全身に痛みが走り、苦しむ姿も撮影。涙を流しながら耐える姿は痛々しく、ステージでは圧倒的な存在感を放つ彼女がとても小さく見える。直後に控える仕事のため、注射を打ってからメイクに取り掛かるといった、信じられないような姿も包み隠さず見せている。

 タフ/弱い面、家族思いの優しい娘、友人の赤ん坊を見つめる顔など、さまざまなガガが垣間見える貴重なドキュメンタリー。数秒だがトップレスになる映像も入っており、文字通り、裸の彼女を見ることができる。

【バーゲン本】21世紀を生きのびるためのドキュメンタリー映画カタログ
フィクションにはない生々しさが魅力
アクセスランキング