しまむら再生の道は

しまむら苦戦、「しまパト」も困難に? 「ユニクロを参考に」停滞を打破するための4つの検討

2020/02/25 11:40
南充浩

しまむらの店舗数で「何があるかわからない面白さ」は実現できない

 しまむらの停滞の原因はさまざまありますが、最も根本的なものは、これまでのビジネスモデルが今の企業規模に合わなくなってきたからだと考えられます。店舗数は全業態合わせて国内だけで2100店舗以上(うち、しまむらが1432店舗)もあるのです。メーカーの売れ残り品だけで、これだけの店舗数に定期的に一定数量の商品を供給することは現実には不可能。メーカー側もバカではないので、毎シーズン定量的に2100店舗以上に行き渡るほど、不良在庫を抱えることはありません。そんなメーカーがあったらとっくに倒産しています。

 また、連結で売上高5000数百億円という数字を、売れ残り品だけで賄うのも不可能でしょう。初期の頃のアウトレットや古着屋を思い浮かべてもらえればわかるように、かつてしまむらは「何があるのかわからない面白さ」が消費者に受けていたものの、それは、小規模展開に適したモデルで、5000億円の売上高はとても支えきれません。そのため、今のしまむらは、かなりの割合が自社企画商品(オリジナル品、PBとも呼ぶ)で賄われています。2015年に保温ズボンの「裏地あったかパンツ」が100万本強販売の大ヒットになったと報道されましたが、これもオリジナル品でした。メーカー各社の売れ残り品を同一規格で100万本も揃えることはほぼ不可能。それをなし得るには、限りなくユニクロに近い仕組みを構築しなければいけません。

「仕入れ型の売り切れ御免」から「オリジナルの大量生産」というビジネスモデルへの転換がうまくいっていない……これがしまむら苦戦の原因の一つではないかと思われます。

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