老いてゆく親と、どう向き合う?

老人ホームを断固拒否! 要介護4の母抱える社員のピンチ、超ホワイト企業が取ったスゴい行動

2019/12/08 19:00
坂口鈴香(さかぐち・すずか)

“「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける”
――『百まで生きる覚悟』春日キスヨ(光文社)

 そんな「ヨロヨロ・ドタリ」期を迎えた老親と、家族はどう向き合っていくのか考えるシリーズ。

「正直なところ、ホッとしました」――

 そう語るのは、「介護施設は虐待が心配――生活が破綻寸前でも母を手放せない娘」で紹介した斎藤雅代さん(仮名・45)の上司、正木俊宏さん(仮名・56)だ。正木さんは要介護4の母親を自宅で介護する斎藤さんが、介護離職寸前であることに危機感を抱き、なんとか介護離職を食い止めることができないかと奔走してきた。

 前掲の記事で斎藤さんが繰り返していた言葉がある。「施設に入れると、お母さんがかわいそう」というものだ。

いくらホワイト企業でももう彼女を守れない

「彼女のお母さんはほとんど寝たきりでした。平日はデイサービスに行くのですが、それまでに朝食を準備して、時間をかけて食べさせているようです。弊社はフレックス勤務が可能なので、出勤するのが午前11時になっても午後8時まで勤務すればいいので問題はないのですが、時間休を取って早めに帰って、デイサービスから戻るお母さんを迎えることもありました。お母さんの体調が悪くなることも多く、そうなると彼女が病院に連れて行くのでたびたび欠勤することになります」

 話を聞くと、正木さんの会社は超ホワイト企業だ。1時間単位で使える介護育児休暇や介護育児休業のほか、前年から繰り越せる有給休暇、福祉休暇という名前の育児や介護で取得できる休暇もあるという。これらをフルで使うと、なんと1年の3分の1は休むことができるというのだから、ブラック企業の社員でなくとも誰もがうらやむ恵まれた労働環境なのだ。

 ところが、斎藤さんはこれらの休暇を毎年すべて使い果たしていたうえ、今年前半には使える休暇がほとんど残っていなかったという。いくらホワイト企業でも、これ以上この状態が続けば、斎藤さんを守りきれないところまで来ていたのだ。

「ほかにお母さんの介護を手伝ってくれる人はいないのか聞いても、家庭事情が複雑なようで、彼女一人が奮闘している状態でした。家族はいるのですが、彼女の足を引っ張る存在でしかないんです。お父さんは頑固で、両親の仲もあまりよくなかったうえに、弟さんとも合わない。彼女が言うには、自宅はお父さんと弟がため込んだゴミがあふれ、とてもお母さんを介護できる環境ではない。そのため、お母さんと彼女が2人でアパートを借りて住んでいるということでした。そのうえ、弟がウツになり仕事を辞めてしまった。両親のわずかな年金と彼女の給料で4人分、それも別に住んでいる2世帯の生活費を賄っているという状態だったんです」

 斎藤さんが介護離職してしまうと、一家4人が路頭に迷うことは明白だったため、なんとしても仕事を辞めさせるわけにはいかなかった。これ以上、介護を負担させないためには、「お母さんを施設に入れるしかない」と、数カ月説得を続けてきていたという。しかし、「そのたびに彼女が繰り返すのは『施設に入れると、お母さんがかわいそう』と。ここですべての思考がストップしているんです。こうなると、もう会社としても手の打ちようがない」。

その介護離職、おまちなさい
こういう企業も日本にちゃんとある

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