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年収400万円で家を買う? 年収1000万のタワマン購入と比較

2019/09/28 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 人生の三大支出といえば、「住宅購入」「教育費」「老後資金」ですが、ほとんどの人にとって人生で一番高い買い物となるのが住宅でしょう。ローンを組んで住宅を購入したほうが得なのか、それとも賃貸のままのほうが良いのか、悩むところです。

 今回は、住まいについて考えてみたいと思います。

理想の家を手に入れた幸せは
 年収1000万円の会社員Aさん(42歳)は、眺望がよく高級感あふれるタワーマンションを買いました。一生に一度の買い物だと思ったので妥協をせず、ほぼ理想通りの物件を手に入れたと満足です。想定より少し高くつきましたが、夫婦共働きで、世帯年収は1300万円ほどになりますのでそれほど心配することはないと考えています。

 マンションは駅からやや距離はあるものの、保育所併設で同世代の居住者も多く、すぐに親しく付き合うようになりました。休日には、マンションの広いパーティールームで共に食事をしたり、ハロウィンやクリスマス会など子どもの楽しめるイベントも住民同士で企画し行ったりしました。2人の子どももお友達がたくさんできて楽しそうです。まさに理想通りの生活でした。

 ところが、気がついた時には、生活費が毎月赤字になっていました。原因は、誘われて始めた子どもたちの習い事にかかる費用と、やや見栄を張って買った高級車のローン、そして派手なお付き合いにかかる費用などです。年収1300万円といっても、手取りにすれば約970万円。余裕があるように思えますが、毎月のローンや生活費の上に、あっという間に出費はかさみ、貯蓄を取り崩すようになっていました。

 そんな状態の中、Aさんは体調を崩してしまいます。働き方改革で、妻の会社も残業が大幅に減る中、車を売ったり、子どもの習い事を辞めたりして支出を減らしましたが、カードローンもかさみ、マンションを手放すことを検討しています。

相談の結果、マンション購入を諦めたけど
 年収400万円の会社員Bさん(30歳)は、子どもが生まれたのを機に家を購入したいとご相談に来られました。妻は現在育児休業中ですが、子どもが1歳になったら仕事に復帰するつもりだと言います。

 世帯収入は約600万円で、ペアローン(夫婦それぞれが債務を抱える)にすれば、現在見つけている家が買えるけれど、Bさん一人がローンを組む場合は、厳しいそうです。諦めて他の物件にしたほうが良いのか、ペアローンを組むか迷っています。

家族でも必ず「住宅購入」の時代ではない
 相談の結果、Bさんは、今は家を購入しないことにしました。理由は3つです。

  1つは、現在、物件価格が割高であること。2つ目は、今後、必要となる額の貯蓄が重要なのに、想定している家は物件価格が高すぎて貯蓄ができない可能性があること。3つ目は、今後、仕事の状況、子どもの環境等に合わせてフレキシブルに住まいを変えたほうが効率的なこと、です。

 持ち家は、悩ましくも大きな夢でもあるので、買いたいという気持ちから切り替えることができたBさんは賢明だなと思いました。しっかり貯蓄を増やしていき、いいタイミングで、理想の家に巡り会えるといいなと思います。

 持ち家を購入することで、老後における生活の安心と金銭的なメリットを得られます。ただ、そのメリット得るためには2つの条件があります。

(1)現役時代に住宅ローンを返しながら必要な貯蓄がきちんとできていること

(2)リタイアまでにローンを完済していること

  です。住宅ローンは、「長期間、大きな固定費を抱えること」です。当たり前ですが、ローンを組んだら返済のために働き続けなければなりません。ローンを組んで家を買うのは、ある意味、人生を売るようなものだと思います。くれぐれも、無理せず、計画的にです。購入時期は早すぎないほうがいいと思います。お金をためて、利便性の良い場所に、夫婦、あるいはおひとり様用のコンパクトな終(つい)の住処を買うというのが、個人的には理想的だと思っています。

最終更新:2019/09/28 20:00
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