“中学受験”に見る親と子の姿

父が息子を「刺殺」という最悪の結末も――中学受験で「子どもの人生を乗っ取る」親の愚かさ

“親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

Photo by mrhayata from Flickr

 日本人は儒教の影響もあり、昔から「家」や「家族」というものを重要視する傾向にあると言われている。そのため、家族は連帯責任という有形無形の圧力をかけられてしまいがちだ。

 その良い例が、有名芸能人の子どもの不祥事である。芸能人自身が起こした不祥事ではなく、しかも成人している子どもの罪なのに、世間という名の不特定多数に向けて、謝罪しなければ許されない状況に追い込まれていく現状がある。こういう謝罪会見を、私たちはもう何度目にしたことだろう。有名芸能人ばかりではない。警察官に重傷を負わせて、拳銃を奪った犯人の親が責任を取って、自らの職を辞したのは記憶に新しい。

 これらの出来事は欧米をはじめとした「個人主義」が当たり前とされている国々では驚きをもって受け止められているという。「子どもの人生と親の人生はまったく別物」という社会的コンセンサスがある国々では、成人年齢を遥かに超えている人間に対しても、親が延々と責任を取らなければならないという社会的圧力は、奇異に感じるものなのだろう。

 そういう風潮があるせいで、私たちはともすると「子どもの人生」と「親の人生」を混同しがちになるという危険性を孕んでいるのではないだろうか。成人している子であっても、親の責任を問うてくる世の中である。ましてや、未成年である子を育てている親は、余程注意深く、自身の言動を顧みていなければ、子どもの人生を乗っ取ってしまう可能性が大なのだ。

 中学受験ではその「可能性」が高まるということを親は肝に銘じておかなければならない。先日も「自分の母校に子どもを行かせたい」という理由で始めた中学受験で、結果、息子を刺し殺してしまった父親の裁判が始まったと、ニュースが報じられた。この父親は、息子に勉強させようと日常的に暴力を振るっていたそうだが、彼もまた自分の人生と子どもの人生を混同し、支配しようとしていたように見える。

 子どもの未来を応援するための中学受験で、最悪の結果になってしまったケースがこれであるが、殺人まではいかないにしても、中学受験において、子どもの心を壊してしまう例は枚挙にいとまがない。たとえ親が学校の先生といった専門家でも、我が子の勉強の面倒はみられないという話もよく耳にする。なぜなら、我が子ゆえに冷静にはなれず、「キレ」てしまうからだそうだ。両親どちらであっても、言葉も含め暴力は言語道断。子どもに取り返しがつかないダメージを与えてしまうので、絶対にやめていただきたい。

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