“中学受験”に見る親と子の姿

「僕、皆と一緒の公立に行きたい」中学受験で第1志望校合格も、息子の一言で大パニックに

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

Photo by カッパリーナ from AC

 中学は義務教育であるがゆえに、もし中学受験で志望校の合格を得ることができなかったとしても、どこにも受け皿がないということにはならない。“公立中学”という公の学校が門戸を開いているからだ。

 しかしながら、我が子に中学受験をさせる“親心”を考えると、そうはいかない。つまり「1校受験でダメなら公立」と思う人は少数派で、大多数が併願校を多数用意して受験に臨むのだ。そうなると「A校もB校もC校も受かってしまった!」「体はひとつだけど、どこに行こう?」という、うれしくも悩ましい問題が発生するのである。

 志望校順位がしっかりとある家庭、もしくは受験シミュレーションが用意周到に組まれている家庭の場合は問題になることは少ないのだが、全ての合格発表が終わってから、いきなり悩むという家庭も出てくる。不思議なことに「念願の第1志望校合格」であっても、揺れる家は揺れるのだ。

「僕の居場所がない」息子が入学式前に不安を……

 今年の2月、Q学園に合格を決めた奈美さんと拓海君親子(両者とも仮名)は、喜びで胸がいっぱいになっていた。Q学園は小学校4年生からイベントのたびに通い続けた本命中の本命だったからだ。

 実は拓海君は、本番に弱いタイプ。受験初日のQ学園1回目入試、翌日の2回目入試と結果が出ず、抑え校は合格したものの、親子で相当、落ち込んだそうだ。しかし、気持ちを奮い立たせての3回目入試で見事、栄冠を勝ち取る。苦戦の末だけに、合格の喜びはひとしおだった。

 ところが「好事魔多し」ということだったのだろうか。入学式前の3月に開催されたQ学園の「事前招集日」で問題が発生した。奈美さんは拓海君から、こう報告を受けたそうだ。

「出身塾同士ですでにグループが出来上がっていて、僕の居場所がなかった……」

 さらに、小学校の卒業式に出席した際にも、拓海君は「みんな、地元公立中のどの部活に入るかで盛り上がっていて、今までクラス全員で仲良しだったのに、急に自分だけ仲間外れにあった気分になった」と“疎外感”を感じていたという。

 そして、拓海君がこう言ったことで、奈美さんは突如、大きな不安に襲われたのだ。

「僕、皆と一緒の公立に行きたい……」

 奈美さんは、必死の思いで筆者に相談してくれたので、何かの縁かと思い、Q学園の校長先生に連絡を取って「ある親子が迷っているので、筆者経由で何かメッセージをください」と伝えたら、奈美さん親子が今現在抱えている不安の一つひとつを解消していくので「安心していらっしゃい。待っています」との伝言をすぐに託してくれた。

 Q学園が人気校である秘密がわかった気がしたが、たとえ熱望校に合格しても、このように気持ちが揺らぐケースはあるのだ。多分、拓海君と奈美さんはマリッジブルーと同じような感覚に陥ったのだと推察している。環境が大きく変化する時は、誰でも不安になるものなのだ。

 拓海君は、校長先生からのメッセージを受けて入学を決め、現在、楽しく通学しているらしい。

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