プウ美ねえさんのエプロンメモ

【プウ美ねえさんのお悩み相談】婚活で出会った“条件のいい優しい男性”、でも心が動かない……

2023/11/30 16:00
熊田プウ助(マンガ家)

家族関係、恋愛、夫婦関係、仕事、結婚、介護、人生……サイ女読者のお悩みに“プウ美ねえさん”こと熊田プウ助が、いつもそばに置いておきたい“エプロンメモ”とともに回答します。

「アタシが退屈させないよ」という言葉を口にする女性キャラクターのイラスト画像
(C)熊田プウ助

<今回のお悩み>
「結婚はしたい、でも恋愛感情ってなんだっけ?」
 プウ美おねえさま、婚活難航中の私にアドバイスをお願いします。現在マッチングアプリや友人からの紹介で、いろいろな男性とデートを重ねています。

 先日、友達から、私の住む地域では一目置かれる勤め先の男性(年齢は1つ下)を紹介してもらいました。プライドが高い人だったらいやだなぁと思っていたのですが、会ってみたら穏やかで優しい方でした。私の趣味(手芸)についても、たぶんそんなに興味はないと思うのですが、一生懸命たくさん質問してくれ、本当にいい人だと思いました。

 母にその話をすると、「あなたにはもったいないような人!」と言っており、「私もこんな人を好きになれたらいいな、結婚相手にはもってこいの人だな」と思うのですが、どうしても「この人のことをもっと知りたい」という気持ちがわきません。

 これまで1回お茶をして、2回デートをしていますが、会っている時は「退屈ではない」くらいの気持ちです……。お相手の方は私に好印象を抱いてくれているらしいのですが、たとえいい条件でも、心が動かなければ会うのはもうよしたほうがいいのでしょうか。友達には「悠長なことを言っている暇はない、自分の年齢を考えないと」と厳しいことを言われました。

 結婚はしたい(人生の苦楽を共にできるパートナーがほしい)と思うのですが、恋愛感情ってなんだっけ? とわからなくなっています。まとまらない文章ですが、こんな私に何かアドバイスをお願いします。
(34歳、Rちゃん)

【プウ美ねえさんの回答】
 おつかれのようですね。何万回も聞かされたと思いますが「結婚したら幸せになれる」は、まちがいです。”適齢期”とか ”独身は寂しい”などの価値観にしばられて、自分の将来を他人に丸投げすることが不幸せなだけです。結婚しても、しなくても幸せになれることは、ぜひ忘れないでいてくださいね。

 あらためて考えると、人生の苦楽を共にするパートナーを、数回のデートで見つけるのは大変なことです。数年間一緒にすごして、やっと、どちらかが死ぬまで一緒に過ごすんだろうなぁと思えることもありますし、その相手がとつぜん離れていくことだってあります。「そんなこといったら確信のもてるパートナーなんか作れないじゃないか」と思うでしょうね。そうです、他人との関係に”絶対”などありません。関係は、毎日つくり直す面倒なものです。

 おねえさん的には、退屈ではない相手なら、ためしに結婚ぐらいしてみればいいじゃないかと思います。ただし、ゆめゆめ、すべての望みを一人の人間に叶えてもらおうなどと思わないことです。面白さは友達に求めてもいいし、恋のドキドキはアイドルや俳優でまかなってもいい。「ウェディングドレスを着るとき横にいてくれたら誰でもいい」ならなお潔くてよろしい。一緒にいるだけで全ての幸せを保証してくれる王子様は、おとぎ話の王女様のところにしかきません。あなたが王女様でないばあいは、パートナーとして責任が生じるのです。その男性を幸せにしたいですか? というか、あなた自身は彼にとって退屈でない女性ですか? 彼を退屈させない気持ちはありますか? あるならば、二人の生活はなかなかに素敵だと思いますよ。

【今月のエプロンメモ】
デートの詳細が書かれていませんが、セックスはお済みでしょうか。お互いのマナーや思いやり、サービス精神がよくわかりますから、ぜひしてみるとよいものです。セックスの相性を結婚の条件にしてもなんら問題ありません。すればするほどどんどん良くなる、という相性もたまにあります。

ご応募はこちらから



熊田プウ助(マンガ家)

熊田プウ助(マンガ家)

1969年生まれ、ゲイ漫画家。『ホモ漫画家、ストリッパーになる』(実業之日本社)、『世界一周ホモのたび 狂』(ぶんか社)など著書多数。

記事一覧

Twitter:@kumadapoohsuke

最終更新:2023/11/30 16:00
「関係は、毎日つくり直す面倒なもの」という言葉をかみ締める
アクセスランキング