暗黙のママ友ルールウォッチング,

デザイナーママの苦悩! ママ友から「ロゴ作成」依頼、見積書を出したら「お金取るの!?」と激怒された!

2023/01/29 16:00
池守りぜね(ライター)

ママ友ウォッチャーが解説!
デザインやライティングがどれだけ労力がかかるのかわかりづらい?

 今回のように、「何かしらの技術を持っている人は、周りから頼まれ事をされやすい」のは、ママ友付き合いでもよく発生することだ。

 ワーママが増える昨今、「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」というのが、すでにママ友間で暗黙のルール化しているコミュニティもあるが、一方で、世間話として、ママ友に自分の仕事について話すぐらいのことは普通というコミュニティも多いだろう。1人のママ友にしか仕事の話をしていなかったのに、いつの間にかほかのママ友にも伝わっていた、ということもよくある話だ。

 今回、早智子さんを悩ませる問題が発生した背景には、デザインをはじめ、イラストやライティングなどは、実際にやったことがない人からすると、「作業にどれくらいの時間と労力がかかるのかわからない」点が大きく関係していると感じた。梨花さんは「プロならば、簡単にできる」と考えていたようにも思う。

 ママの中には、趣味の延長でデザインやイラスト、動画撮影などを行い、プロ並みの腕前を誇る人もいる。腕試しのように、PTA業務に関するデザインや、子どもの習い事の撮影を無償で手伝う人もいるため、そういった人たちとプロである早智子さんとの違いがよくわかっていなかったのかもしれない。

 早智子さんが「無償での手伝いはしたくない」と考えているならば、仕事が忙しいと説明したうえで、「本業を休んだり、減らして作業しなければならない」ことを強調し、そのため「費用が発生する」と、最初に伝えるべきだった。それに、例えば、飲食業を営んでいるママが、サッカークラブに昼食の提供を頼まれた場合、材料費などがかかることは誰の目に見ても明らかだけに、無償にはならないはず。それと同じことだと説明するのもいいかもしれない。

 実際、ママ友間でのトラブルは、お金に関するものが多い。後から言い出しにくい話だからこそ、大事な部分は最初に伝えたほうがいいと思う。

 なお、今回の早智子さんのように、ママ友から無償作業を頼まれたデザイナーやライターからよく聞く困り事としては、例えば、「最初は良かれと思ってポスターのデザインをしたら、何度も修正依頼をされ大変だった」「キャッチコピー作成を手伝ったら、容易な作業だと思われたようで、その後、何度も頼まれるようになった」というものが挙げられる。

 これに関しても、最初に「修正は〇回まで」「今回は無償だが、次回からは費用が発生する」など条件を明確にしておくのが必要だ。たとえ無償でも、相手に「仕事として請け負います」というスタンスを見せておくことが大事ではないだろうか。

 学校や習い事などにおけるママ友間の無償作業は、いろいろな人の確認が何度も発生するので、思ったように進められない面がある。仕事のようなスムーズなやりとりができずイライラすることも少なくないようだ。人間関係にも支障が出かねないだけに、安請け合いしないほうが身のためと言えよう。

 「お互いの仕事についてはあまり詮索しない」はまだ、“ママ友の暗黙ルール”とは言い難い。それだけに、あくまで自衛のために、以上のことを心掛けておくといいのかもしれない。



池守りぜね(ライター)

池守りぜね(ライター)

出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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最終更新:2023/01/29 16:00
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