『ねほりんぱほりん』シーズン7レビュー

『ねほりんぱほりん』シングル里親の背中を押した、ひとり親・YOUの涙のエール【2022年シーズン7】

2022/12/12 12:39
加古りえ(ライター)

『ねほりんぱほりん』シングル里親、子育て中の多くの人に響いた“YOUの涙の言葉”

 また、シンさんは里親ならではの葛藤も抱えている。「結局、里親っていう制度なので、両親がそろっている里親さんに育ててもらうこともできるんです」と言い、「自分としては育てたいですけど、子どもからしたら、両親がいる環境でちゃんと育ったほうがいいんじゃないかって思うところはあります」「今私が育てているっていうのは、ある意味、私が育てたいっていうエゴで……」と悩みを打ち明けた。

「彼が大きくなったとき、今の記憶って多分ないんじゃないかなって思うと……。里子としてマックス18歳まで預けられるとしたら、このあと(別の里親のもとに行けば)15年間、両親がそろって幸せな家庭っていう記憶が残るので、そっちのほうがいんじゃないかなって」

 そう逡巡するシンさんに、熱いエールを贈ったのは、ぱほりん(中身はYOU)だった。

 1997年に男児を出産し、途中からはシングルマザーとして息子を育て上げたYOUには思うところがあったようで、「そこを慮っちゃうのはわかるんですけど、なんか、みんなで育てる感じでいいような気がします。それこそ学校も、親御さんとか養護施設の方とかも、これから出会う方たちとも、みんなで育てる感じでいいような気がします」と、涙で声を詰まらせながら語りかけた。

 そして、「私も大事に育てたんですけど、結局、親の言うことなんか聞かないじゃないですか。他人の言うことばっか聞くんですね、子どもって。なんか急にバイトの店長の言うことのほうを聞くようになったりとか。そう考えると、みんなで育てていこうっていうふうに思いますね。みんなで育てましょう!」と、シンさんの背中を押した。これは、シンさんはもちろん、子育て中の多くの人に響く言葉ではないだろうか。

 シンさんは番組内で、「やっぱり皆さん、戸籍だとか血がつながってるとかっていうのに、結構こだわるんですよね。そもそも夫婦って、血もつながってないし他人じゃないですか。他人なんだけど、夫婦って結婚したら家族じゃないですか。なんで子どもは血がつながって戸籍が一緒じゃないと、家族って言ってもらえないのかなっていうふうには思います」と話していた。

 血のつながりがない里子を1人で育てるってめちゃくちゃ大変そう……と先入観を持って見てしまったが、里子・実子に違いはなく、シンさんとお子さんは「家族」なのだと教えられた。



加古りえ(ライター)

加古りえ(ライター)

リアリティーショーを中心とするテレビウォッチャー。日本だけでなく海外の番組も熱心にウォッチ。リアリティーショー出演者のSNSをチェックするのが日課。

最終更新:2022/12/12 12:39
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