知られざる女子刑務所ライフ150

アプリやSNSで大麻や覚醒剤が気軽に買える時代に……元女囚が考える「子どもたちの薬物依存」

2022/08/21 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

連絡はLINEよりも足がつきにくい通信アプリで

 ちなみにツイッターは広告だけで、連絡は「テレグラム」や「シグナル」を使います。これはLINEみたいな通信アプリで、履歴を簡単に消せて、足がつきにくいから人気があります。売人はテレグラムのIDやQRコードをツイッターに載せているので、そこから連絡を取るんですね。

 でも、履歴を消さずにまた使う人も多くて、けっこうパクられてるようです。意味ないですけど、たしかに同じものを買いたい時は履歴があったほうがラクですよね。

 あと「手押し」も出ていますが、これは「手渡し」の意味です。渋谷駅のモヤイ像前なんかで待ち合わせて、やりとりするんです。

 もちろん知らない人とのやりとりなので、表沙汰になっていないトラブルも多いです。よくあるのは、先にお金を振り込んだのに届けてもらえないとか、商品が思っていたのと違うとかですが、買うほうも悪いので泣き寝入りですね。

 あと、こういう闇サイトには、クスリだけやなくて拳銃や児童ポルノ関連の画像や動画などいろんなものが売られていますし、強盗やオレオレ詐欺とか、いわゆる闇バイトや、殺人の代行業なんかも紹介されています。

 こんなカオスになる前に足を洗っておいて、ホンマによかったです。そもそも今も、スマホの進化についてけてません。

 子どもたちはスマホをノーストレスで使いこなせますが、トラブルは避けられません。親だけでなく周囲のオトナたちも含め、みんなで守っていくしかないです。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2022/08/21 16:00
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