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BLACKPINKリサに「タイへ帰れ」差別的な投稿相次ぐ ファンは「#RespectLisa」で擁護

2021/02/06 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 BLACKPINKのリサにバッシングが殺到している。なかにはタイ出身である彼女の出自をあげつらい、「タイに帰って」「タイならお金持ちで有名」といった差別的なコメントも湧いているが、一体何があったのか。

 2月2日、Twitterでは「#RespectLisa」というハッシュタグがファンによって拡散された。差別的な投稿に反対する動きが起き、「#RespectLisa」や「Stop Racism」「Say No To Racism」といった言葉がトレンド入りする事態になった。

 今年1月、「リサはメンバーのソロ曲をSNSで宣伝するのが遅かった」として、一部のBLACKPINKファンが彼女をバッシングし始めた。

 それは1月26日のことだ。日付が変わった瞬間にロゼのソロデビュー曲ティーザー映像が公開された。ジェニー、ジスはすぐさまInstagramで告知したのだが、リサは翌朝までロゼに関する投稿をしなかったため「リサはロゼを応援する気がないの」と一部ファンの間で炎上したのである。

 しかしリサにも彼女のスケジュールがあるだろう。同月31日にはオンラインコンサートがあり、そのリハーサルをしていたのかもしれない。こうした炎上をきっかけにファン同士で対立が起き、「#ApologizeToLisa」というハッシュタグがトレンド入りした。今回のバッシングには、このときの遺恨が関係していたのだろうか。

 実は「#RespectLisa」というハッシュタグが広まったのは今回が初めてではない。2019年にも一部ネット上でリサに対し「タイから韓国に稼ぎに来ただけ」といった差別的な投稿が書き込まれ、ファンが「#RespectLisa」を使っていた。

 Netflixで配信されているドキュメンタリー『BLACKPINK〜ライトアップ・ザ・スカイ〜』でリサは、14歳のときにYGエンターテインメントのオーディションに合格し、親元を離れてひとり韓国に移り住むことになった苦労を語っている。

 韓国に来た当初、リサは「アニョハセヨ」ぐらいしか韓国語が分からない状態で、英語が堪能なジェニー以外とはコミュニケーションをとることができなかったという。番組のなかでリサは、<ありがたいことにジェニーがいた。練習生の中で彼女だけは英語が話せたから、英語で会話ができた。(だから)なにかあれば、ジェニーに相談してた>とつらい時期を支えてくれたジェニーに感謝の言葉を述べている。

TWICEでも炎上
 BLACKPINKは韓国人3人、タイ人1人で構成されているが、このように多国籍構成のK-POPグループは多い。そして残念ながら、前述のようなバッシングはしばしば起きてしまう。

 韓国人5人、日本人3人、台湾人1人で構成されているTWICEでは、日本人メンバーのサナがバッシングの標的となった。

 きっかけはInstagramへの投稿だった。令和への改元を前にした2019年4月30日、サナはTWICEの公式Instagramで<平成生まれとして、平成が終わるのはどこかさみしいけど、平成お疲れ様でした!!!><令和という新しいスタートに向けて、平成最後の今日はスッキリした1日にしましょう!>と投稿した。

 当時は徴用工をめぐる問題などをきっかけに両国の関係が悪化している時期ということもあり、「なぜ日本の天皇が退位するお知らせを公式アカウントで投稿しているのか」といった批判が多く出て非常に激しいバッシングが起きた。

 BoA、東方神起、少女時代といったグループを輩出してきたSMエンターテインメントの男性グループNCT127の日本人メンバー・ユウタもバッシングに遭っている。

 2020年7月、ユウタはV LIVEのなかでYouTuberグループ・NOBLEMANのメンバーであるりーくんと交流があると語ると、メディアで「嫌韓YouTuberと親交がある」と報じられ批判が殺到した。りーくんは日本語で発信している韓国籍のYouTuberで、韓国社会に対して批判的な発言をすることもあったことから、そういった誇張した表現で報じられ燃えあがったのではないかと言われている。

 とはいえ、こういった炎上を焚きつけているのはごく一部で、多くのファンはK-POPを通じて国際協調のきっかけを掴んでいるのではないだろうか。

 前述したTWICEサナの騒動の際は、俳優のキム・ウィソンがFacebookで「なぜサナが排斥されなきゃいけないのか?」「とにかくサナには手を出すな!」と投稿したところ、多くの人が「いいね!のボタンを押した。

 JO1やNiziUなど、現地出身のメンバーでグループをつくり、K-POPのクリエイティブで音楽やダンスをつくる新しい試みが始まっている一方、K-POPグループの多国籍トレンドはいまでも変わっていない。昨年、SMエンターテインメントからデビューした大型新人グループ・aespaも韓国人2人、日本人1人、中国人1人で構成されている。

 アイドルファンには、せっかくアイドルを好きになったのなら、出自をもとにした差別で攻撃するのではなく、メンバーをきっかけにその人の国や文化を知るきっかけにしてほしいと願うばかりである。

最終更新:2021/02/06 20:00
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