サイゾーウーマンへずまりゅう両親「殺されるかも」と嘆き その他 へずまりゅう両親「殺されるかも」と嘆き コロナ感染で噴き上がった迷惑系YouTuberへの不快感 2020/08/01 20:00 サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman) 新型コロナウイルスに感染したYouTuberへずまりゅう(以下へずま)。彼について報じるメディアはいずれも深刻な調子で、あたかも極悪人の蛮行を扱うように様々な情報を伝えている。 愛知県岡崎市のスーパーにおいて、会計前の魚の切り身を食べたとして“迷惑系YouTuber”のへずまりゅう』こと原田将大(しょうた)容疑者(29)が逮捕されたのは7月11日のことだ。 この窃盗罪だけであれば、逮捕当時の炎上のみですぐに鎮火したかもしれない。だが彼が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、潮目が変わった。山口県・村岡嗣政知事が同月17日、県内の陽性者が新たに3人確認されたことを発表。そのうち2人がへずまと接触していたことを明らかにし「何てことをしてくれるんだ」と怒りをあらわにする場面もあった。 県知事の発表前から、へずまの感染疑惑は囁かれていた。同月15日に愛知県が発表した感染者のうち20代男性の行動履歴が、へずまが逮捕前にSNSで公にしていた行程と符合していたのである。山口県の発表でこの愛知県の感染者がへずまであることが周知された。 彼は6月29日から東京や千葉、静岡、広島、山口に滞在し、山口県では錦帯橋や防府天満宮などの観光地にも立ち寄っていた。最終的に愛知県では警察官4名を含む8名に感染が確認され、愛知県警関係者100人以上が自宅待機を余儀なくされた。 “迷惑系YouTuber”による迷惑極まりない感染拡大行為にはワイドショーも飛びつき、感染拡大防止が全国的に叫ばれる中での国内行脚であることや、その道中にマスクを着用していなかったことなども大きく報じられた。 20日放送『スッキリ』(日本テレビ系)では“へずま特集”が組まれ、MCの加藤が「テレビで流してしまうと、結果、(有名になるから)本人が喜ぶんじゃないか。やらない方がいいんじゃないのと思っちゃう」と苦言を呈し、コメンテーターらも「言語道断。法律は限界はあるかもしれないが、厳罰に処さないと。真似る人も出てくる。こんなことは許されないこと。厳しくやらないと」など語気を強める場面があった。 テレビだけでなく週刊誌も一様にへずまの行動を取り上げるなか、ついに両親が登場する事態に。 へずまの両親は「週刊女性」(光文社)や「週刊文春」(文藝春秋)、「週刊新潮」(新潮社)らの取材に軒並み応じ、懺悔の気持ちを吐露している。 「週刊新潮」では防府市に住む母が取材に応じ「息子は(警察もしくは入院先から)もう出てこんほうがいい。出てきたら、私ら夫婦は殺されるかもしれん」と涙ながらに語り、これまでの親子関係もつまびらかにする。 記事中では、へずまは地元の大学を卒業してからスーパーで販売をやっており、今年の春に勤め先からの連絡で退職を知ったことを明かし「それ以降は昼間は就職活動、夜は居酒屋でアルバイトをして、山口県内に一人暮らししているとばかり思っていました。それがあんなことをしていたなんて」と、寝耳に水だったことも強調している。 とはいえ、へずまが迷惑系YouTuberだったことを知っていたかどうかは明言されず“あんなこと”が何を指すのか不透明なまま母の懺悔は続き「いまはどうすればいいか分からんけど、私はあの子を産んどるし……」と責任を感じているように語った。 潜在的な“迷惑系YouTuberへの不快感” こうして日本全国がへずまりゅうに怒りの目を向け、両親までメディアに引きずり出される事態となったが、いささか叩きすぎの感は否めない。そもそもの逮捕容疑は販売している切り身の魚を食べたという窃盗。仮に彼が新型コロナウイルスに感染していなければここまで叩かれはしなかったかもしれない。 また、マスクをしていなかった彼が感染を自覚していたか、そして感染を拡大させようという意図を持っていたかどうかは不明だ。彼のそれまでの愚行を遡って批判する背景には、それまで潜在的にあった“迷惑系YouTuberへの不快感”が本件をきっかけに噴出したこと、そして実は多くの人の心の奥底に存在する“自粛警察マインド”の表出があるのだろう。 母親による「私ら夫婦は殺されるかもしれん」という発言は曖昧で、誰に殺されるかは明示していないものの、文脈から見れば「近所に・社会的に抹殺される」という意図と取れる。つまり母親は「親の顔に泥を塗るようなことをされ、生活しづらい」と訴えていると解釈できる。自分たちの保身のために取材を受けたように見えなくもない。 へずまりゅうが逮捕されるまで過激な行動を繰り返し、迷惑系YouTuberとして活動していた理由はよくわからないが、少なくとも「目立ちたい」という動機はあるだろう。そこにはビジネスチャンスもある。こうした迷惑行為を面白がり、彼の動画を閲覧するユーザーは、想像以上に多くいる。炎上自体もエンタメコンテンツとして成立してしまっている。閲覧者から飽きられないためには、迷惑行為をエスカレートさせるしかない。彼がこうした愚行を繰り広げることを面白がる者がいたからこそ起きた騒動ともいえる。 かたや、YouTubeも迷惑系アカウントに対して凍結や収益無効化など様々な策を講じている。かつてニコ動に生息していた迷惑系動画配信者たちはYouTubeに生息するようになり、他の動画配信プラットフォームにも派生している。YouTubeが厳しくなれば、また別の配信サービスに移るだけのことだ。需要がある以上、「目立ちたい」配信者は次々と現れて同じようなことをするだろう。 最終更新:2020/08/01 20:00 次の記事 映画『人数の町』鑑賞券プレゼント >