ママ友トラブル

ダイソーのジッパー袋やポケットティッシュをくれるママ友、「いらない」の一言が言いだせない!

2024/02/26 16:00
池守りぜね(ライター)

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

女性の手と紙コップの画像
写真ACより

 ダイソーやセリアなど、100円ショップのアイテムを愛用するママは多い。乳児用のカップやスプーンといった育児グッズ、バスケットや小物入れなどの収納用品、バレンタインの製菓アイテムといった季節ものまで、100円で購入することができる。

 ママの間では100均グッズの情報交換も盛んだが、今回は、100均アイテムをくれるおせっかいなママ友にモヤモヤしているというお母さんの声を取り上げる。

目次

・ママ友からの「いらない」プレゼント
・100均のティッシュを配るママ友
・ママ友ウォッチャーの解説

幼稚園帰りにお茶するママ友からの「いらない」プレゼント

 留美さん(仮名・35歳)は、首都圏で4歳になる男児を育児中のママ。息子は今年度から近所にある幼稚園に通っている。

「駅前にタワマンや戸建てが増えたために、保育園はどこも満員。幼稚園も、人気の園は願書を出す時に長蛇の列になります。うちは小規模かつ食育に力を入れている幼稚園に入園しました。というのも、息子は喘息や食物アレルギーがあるので、個別対応に積極的な園がよかったんです」

 留美さんは、現在は専業主婦だが、子どもが小学校に入学し、学童に通うようになったら復職を希望している。

「息子の体がもう少し大きくなれば、アレルギーも落ち着いてくると聞いているので、小学校に上がったら、パートでもいいから働きたいって思っています。それにいま、幼稚園の専業主婦のママ友との関係に悩んでいて……働けば、ママ友との密な付き合いを避けられるのではないかという思いもあるんです」

 そのママ友とは、「息子同士が同じ組になったことが縁で仲良くなった由紀子さん(仮名・37歳)」という人物。留美さんは幼稚園からの帰り、週1~2回のペースで、由紀子さんの家にお邪魔し、お茶をしているそうだ。

「由紀子さんの家に遊びに行くと、いつも手作りのケーキなどを振る舞ってくれます。最初のうちは、食育に力を入れている園に子どもを通わせているだけあって、健康を考えているんだなと共感していたんですが、鶏から出汁をとったガラスープを何度も使ったり、『バターは高いから』という理由でマーガリンを買ったりなど、彼女は単に節約したいだけなのだと気づいたんです。手作りのケーキはあまり見栄えもよくないので、『市販のもののほうがいいな……』と思ったこともあります」

 留美さんが由紀子さんに違和感を抱くポイントはほかにもある。

「由紀子さんは、デパートなどでもらった包装紙や紙袋を必ず取っておくんですよ。私には不用品に見えるのですが、その包装紙を再利用したポチ袋やカードケースをもらうこともありました」

 留美さんは、家の中のものを極力減らして、シンプルに暮らしたいタイプなのだそう。

「うちはマンション暮らしなので、収納に限界がある。子どもがいるとおもちゃや本などどんどんものが増えるので、不用品はなるべく捨てるようにしています。でも由紀子さんはどうやらものが捨てられない性格みたいで、価値観の違いを感じてしまいます」

 とはいえ、由紀子さんが節約家であっても、留美さんに直接迷惑をかける話ではない。しかし、留美さんいわく、「由紀子さんがダイソーやフライングタイガーで買ったものの余りをしょっちゅうプレゼントしてくることに悩んでいる」というのだ。

「例えば、ジッパー袋や柄がついているアルミホイルをくれるんです。息子に『ほら、プーさんの柄だよ』と言って、渡してきたり……。子どもは『ありがとう』と言って受け取るのですが、使い道はないですし、正直いらないんですよ。でも由紀子さんは『いいものを渡している』という態度なので、『いらない』とも言えず、困っています」

ブームの去ったアニメの100均ティッシュを配るママ友

 留美さんは、ものを捨てられない性格の由紀子さんから何かもらっても、「彼女が人にあげてもいいと思うくらい、いらないものなんだろうな」「体よく処分したいだけでしょ」と感じてしまうそうだ。

「キャラクターがついたペラペラの生地のエプロンやジッパー袋など、ダイソーやセリアで買ったアイテムの余り物を分けてもらっても、うれしくないですよ」

 ある時、幼稚園の保護者会後、由紀子さんが100円ショップで購入したキャラクターグッズをほかのママ友に配っていた。

「今はもうあまり人気のなくなったアニメのキャラが描かれたポケットティッシュを分けていました。もともと100円で数個入っている商品なのに、ママ友たちは『ありがとう~。子どもが喜ぶ』と言ってうれしそうに受け取っていました。由紀子さんは気にしていないのかもしれないけれど、100円ショップで購入したものをわざわざ配るのは、もらうほうも気を使う。由紀子さんのやっていることって、ただの自己満だと思うんです。うまく断る方法を知りたいですね」

ママ友ウォッチャーが解説!
ママ友はプレゼントというよりおすそ分け感覚?

 自分にとって必要なものや捨てられないものは、相手にとっても価値があると考えている由紀子さんと、片付けを優先し、できる限りシンプルに暮らしたいと考えている留美さん――2人の価値観は大きく異なっている。由紀子さんのような“ものを捨てられない人”は確かにいるが、ただでさえ子育て中はいらないものが増えていくので、ものを減らす努力をしている留美さんのようなママは多いと思う。

 物を渡すほうに他意はないだけに、「いらない」と伝えると角が立ってしまう。留美さんが頭を悩ませているのはまさにその点だと思う。また、ほかのママ友たちがうれしそうに100均のティッシュを受け取る姿を見ると、自分の価値観が間違っているのではないかと不安を感じてしまうのだろう。

 留美さんの悩みを解決するには、由紀子さんと距離を置くことが一番ともいえるが、波風を立てたくないのであれば、ほかのママ友同様に、由紀子さんから渡されるものは、とりあえずもらっておく。そのうえで使えるものだけ残して、あとは破棄すればいいと割り切るのも手だ。

 もし、破棄するのが心苦しいのならば、「家にも同じものがあるから」と言って断るのはどうだろうか。100均で買えるようなアイテムは、「家に大量に買い置きがある」と伝えても、相手は不審に思わないはずだ。

 加えて、さりげなく「部屋が狭くて極力ものは置かないようにしている」など、スペースに限界があることを伝え、ものをもらわない姿勢を少しずつ見せていくことで、少しは由紀子さんの態度も変わるのではないだろうか。

 そもそも留美さんは、由紀子さんが100均のアイテムを善意でプレゼントしていると捉えているが、余り物をおすそ分けする感覚でやっている気がしなくもない。あまり思い詰めすぎずに、付き合いを続けてほしいものだ。



池守りぜね(ライター)

池守りぜね(ライター)

出版社やweb媒体の編集を経て、フリーライターに。趣味は家族とのプロレス観戦、音楽フェス参戦。プライベートでは女児の母。

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最終更新:2024/02/26 16:00
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