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セクゾ佐藤勝利「性別は関係ない」、マリウス葉「女子力なんて古い」 Sexy Zoneメンバーがポップカルチャーから切り込むジェンダー

2020/01/10 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 佐藤勝利(Sexy Zone)が雑誌で語ったジェンダーに関わる発言に注目する声が、SNS上で集まっている。

 その発言があったのは「WiNK UP」(ワニブックス)2020年2月号。

 この雑誌に「アイドル直撃なんでも大調査」というコーナーがある。ジャニーズアイドルたちに対し、生活に関するちょっとした意識調査の質問を投げかけ、それにひと言コメントしてもらう企画だ。

 佐藤は「ひとりカラオケやひとり焼肉をしている“おひとり様女子”って正直どう思う?」という質問に、こんな回答を寄せているのである。

<そこに性別の差はないと思う>

 この質問に、<全然いいと思うけど、女子は友達とかみんなでワイワイやってたほうがいいんちゃう?っていうイメージ>と答えるメンバーももちろんいた。

 そんななか、設問の前提そのものがおかしいのではないかと疑問を投げかける佐藤のコメントは鋭い。

 佐藤のこの発言は雑誌のワンコーナーに載っている小さな扱いの発言だったがインターネット上で拡散され話題に。ツイッターではファンから「素敵だ」といった感想が投稿されている。

ファンを「Sexy Lovers」にしたセクゾ
 Sexy Zoneといえば、ファンの名称をめぐる逸話もある。

 かつてSexy Zoneのファンは「Sexy Girls」(男性の場合は「Sexy Men」)と呼ばれていた。しかし、現在では「Sexy Lovers」となっている。

 この名称変更の理由は表向き「男性ファンが増えたから」というものらしいが、おそらくそれだけではないのではないか。性別を規定する言葉ではなく「Lovers」を選んだ背景に、多様な性の在り方が受容されていくこれからの社会を見据える意味が透けて見える。

 このアイデアを提案したのはメンバーの中島健人だという。

マリウス葉が繰り返し表明する「女子力への違和感」
 Sexy Zoneのなかでも、ジェンダーや多様性に関する発言をひときわ積極的にしてきたのがマリウス葉だ。佐藤勝利や中島健人らメンバーにも、マリウスの価値観は影響を及ぼしているかもしれない。

 2018年5月23日放送『Sexy ZoneのQrzone』(文化放送)ではこんな一幕があった。

 リスナーからの相談に答えるコーナーにて、<好きな人のために女子力を上げようと思ったのですが、ふと、女子力とはなんなのか、女子である自分のことがわからなくなってしまいました。男性から見た女子力ってなんですか、教えてほしいです>との悩みを聞いたマリウスは、<女子力っていうワード自体がなんか……>と違和感を表明した。

 性役割の強化を促す「女子力」なる言葉ありきの、安易な回答を避けたのだ。そしてマリウスは、<女子力って、結局、“美”を意識することじゃない?><最近ってやっぱりジェンダーレスだったりそういうのがあるからこそ、男性がメイクとか化粧水とか美容を意識するようにもなっている>と語り、男女を明確に分けるものとしての“○○力”に疑問を呈した。

 「Myojo」(集英社)2019年6月号の「お悩み相談」企画では、もっと踏み込んでいる。

 13歳の女の子から寄せられた<友だちやクラスメイトから「女子力がない」と言われます>との悩みに対してマリウスは<女子力なんて古い! 男子も女子も関係なくありのまま生きて>としたうえで、このように回答しているのだ。

<なんかさ、そもそも“女子力”っていう表現が、もう古くない? 今はそういう時代じゃないと思う。男子も女子も関係ないんだから、“女子だからこうしなきゃ”とか気にしなくていいよ! ありのままの自分でいることがいちばん。自信を持って堂々と生きればいいし、もし誰かに何か言われても、「自分のことは自分がよく理解してるから」ってキッパリ返せたらステキだよね>

 「女性だから」「男性だから」という理由づけで生き方を狭める必要はない。マリウスは複数回にわたってそれを強く主張している。

マリウス葉が発信し続ける理由
 マリウスは「SPUR」(集英社)2019年6月号のインタビューにて、自分のような影響力をもつ芸能人は、その立場を活かして社会に良い影響を与えるメッセージを出す責任があると語っている。

 インタビューのなかでライターから<これだけのことを考えている19歳は、日本にはなかなかいないのでは>と質問を振られたマリウスは、<僕のように考えている人がいないわけじゃなくて、こういう話をできる場がないんじゃないかと思います>と述べている。

 社会的な意識をもち、現状に疑問をもっている若者はたくさんいるが、それを発信する習慣もなければ、社会的イシューに関する議論を受け入れる場も、現状の日本にはない。マリウスが言いたいことはそういうことだろう。

 だからこそマリウスは、自分自身が「ジャニーズ事務所に所属するアイドル」という特殊な環境にいることの強みを活かして、意見を言えない人たちのために発言し続けたいと語っている。

<僕は影響力の強い大きなプラットフォームを持っていて、他の人とは状況がまた違いますよね。だからこそ、発言していかなくてはならない。自分が学んだことを、同世代や周囲の人に伝える責任がある。発言する機会を与えられないコミュニティもある。そういう人たちを代弁するのではなく、彼らが声を上げられるような場所をつくっていきたいんです>(前掲「SPUR」)

 Sexy Zoneのメンバーのような影響力の強いタレントがこのような意志をもって活動を続けているということの意味は大きい。

 これからもその姿勢を持ち続けてほしいし、彼らをロールモデルとして同じような発言をする後輩がひとりでも多く現れることを期待する。

最終更新:2020/01/10 20:00
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