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女性の下着はアダルトコンテンツなのか? 裸や下着の誤解

2019/11/26 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

実際に下着を着用しながら、ブラジャーやショーツの着け心地を紹介する YouTuberがいる。彼女のTwitterや動画には、女性から「参考になる」というコメントがある一方、アダルトコンテンツ扱いする視聴者もいるようだ。

 匿名掲示板では男性と思しきユーザーたちがYouTubeチャンネルを拡散し、<痴女じゃん><エロい><ヌける><YouTubeってエッチな動画OKなの?>などと品評している。動画に直接「エッチでいいです」などといったセクハラコメントをつけるユーザーもおり、その影響なのか、3カ月ほど前から動画のコメント欄は閉鎖されている。

 彼女が下着姿になっている目的は、女性に向けて下着のレビューをするためであり、男性の性的興奮を煽るためのものではないはずだが、なぜこうした誤解が生じてしまうのか。

 男性誌で男性の性的欲求を満たすために水着や下着になることと、女性向けの下着モデルや女性誌で肌を露出することは、まったくの別物だ。しかし、その区別がつけられず、「エッチな絵を規制するのなら、女性下着の広告が堂々と貼られているのもやめるべき」といった声は一定数わく。先般の献血ポスター問題の際にも同様だった。

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吉田沙保里さんの下着モデルにも「次は水着グラビア・ヌードだな」
 女性タレントが下着モデルに起用されると、毎度ネット上では「ヌけるヌけない」「エロいエロくない」といった性的な目線でのおしゃべりが繰り広げられる。最近では、元日本女子レスリング代表の吉田沙保里さんが、下着メーカー・ワコールの下着モデルに起用された際もそうだった。一部ネット上に<抜けない><意外とエロい体してるな><こうきたら、次は水着グラビア、ヌードだろ>といった声があふれたのだ。

 こうした会話はネット上のごくごく狭い領域に限ったことではなく、Twitterのように何万と拡散可能な場所においてもそうした声は見られる。女性用下着の消費者である女性に向けて作られる広告は、男性誌の水着グラビアやヌードと地続きではない。そのことがなかなか理解されないのだ。

 フリーアナウンサーの田中みな実さんは、昨年10月にラジオ番組『田中みな実 あったかタイム』(TBSラジオ)で、「水着の仕事が来たら?」という質問に「やらない」と即答していた。

<テレビでは絶対にやらないし、男性誌でも基本的にやらないという方針>
<ファッション誌とか、ビューティ誌とかで、女性が見ていいなと思ってもらえるような感じのものだったら(やる)>

 彼女は「anan」(マガジンハウス)で、下着姿や上半身裸になり腕で胸を隠すセミヌードを披露したことがある。今年12月に発売される写真集では、大胆に胸やお尻を見せているが、これらは彼女が「女性が見ていいなと思ってもらえるような感じ」だと判断したのだろう。

 しかしそれでも彼女の発言と仕事内容に齟齬があるとして「嘘つき」と叩く向きはあるし、広告や雑誌の文脈を読まず「脱いでいるのだから同じことだ」と見る人もいる。男女問わずその肉体は性的な行為以外のごく当たり前の日常生活に必須なもので、下着だって性的な行為と無関係な場面でもずっとつけている。下着や裸は、常に性的な意味合いを持つわけではない。

 だが、この「文脈を読む」ことは実はとても困難なのかもしれない。Wezzyにおいても過去、Googleから記事の写真に「肌の露出面積が多すぎるためアダルトコンテンツに該当する」という趣旨の警告文が届いたことがある。文脈にかかわらず、そう判断されたということだ。

 冒頭の下着レビュー動画に関しては、YouTubeが誤った判断をしないことを願う。YouTubeは投稿動画の許容基準をより厳しくしており、過激と判断された動画はBAN(動画の削除やアカウント停止)される。YouTubeのポリシーによれば、「性的満足を目的とした動画」はポリシー違反だとされているが、女性を対象に下着の着け心地を解説する動画およびアカウントは、性的満足を目的としたものではないはずだ。

最終更新:2019/11/26 20:29
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