移民失敗と名高いスウェーデンの闇

スウェーデンで黒人差別のため(?)に拘束されていたエイサップ・ロッキーが、ようやく釈放される

2019/08/05 18:44
堀川樹里

トランプ大統領もおやじギャグで歓迎

 また、エイサップは裁判官に、「スウェーデンで1カ月を過ごした。この国に来るのは今回で5~6回目で、本当に美しい建築も見させてもらった。あまりよくないものも見させてもらった…… 私が求めているのは公平な扱い、それだけです。汚名を返上したい」と訴えたという。また今回の拘束により、エイサップは複数の音楽フェスへの出演がキャンセルとなったが、「無罪になった場合、拘束されていた期間中に発生した損失を国が賠償する」というスウェーデンの制度を利用しないことを約束した、と報じられた。

 そして裁判3日目である2日。裁判官は「エイサップを一時的に釈放し、帰国を認める」とし、トランプ大統領はすぐさま国民に向けて報告。「ロッキー(困難な)な1週間だったな、エイサップ。ASAP(大至急)帰国したまえ!」とおやじギャグを炸裂させたツイートを投稿し、「トランプのギャグは寒いけど、本当によかった」「大統領の手柄じゃないけどね」とツイッターは祝福ムードとなった。

 エイサップが乗り込んだプライベート・ジェットは、日付が3日に変わった頃、ロサンゼルス国際空港に到着。エイサップは出迎えてくれた友人らと45分ほど笑顔で談話。リラックスした様子で、ファンを安心させた。

 最新情報では、エイサップは4日朝に、彼の釈放をトランプ大統領に進言したカニエ・ウエストが主催する日曜礼拝に出席。カニエや、彼の義妹で元恋人のケンダル・ジェンナーと会話するなど、平和で穏やかな時間を過ごしたと報じられている。

 エイサップが釈放後に投稿した、「支えてくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えたインスタグラムには、すでに330万を超える「いいね!」がついており、コメント欄には、ザ・ロック、ファレル・ウィリアムス、G・イージーら多くのセレブから、釈放・帰国を祝福する言葉が書き込まれている。

 評決は14日に下されるが、書面で発表されるため、出廷する必要はないとのこと。米ニュースサイト「TMZ」は「おそらく無罪だろう」と推測しており、スウェーデンへの大バッシングは終息に向かうものだと思われる。しかし、今回の事件で「ヨーロッパにはまだまだ人種差別が残っている」と再認識したアメリカ人はとても多く、今後、スウェーデンをはじめとするヨーロッパでパフォーマンスをする黒人アーティストたちは激減しそうだ。

最終更新:2019/08/05 18:44
ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実
とはいっても日本も人種差別国だからな~
アクセスランキング