オンナ万引きGメン日誌

片乳を出して「痴漢です、助けて」と大暴れ! 強烈な万引き犯「銀座のJUJU」の思い出

2019/03/23 16:00
澄江

女はボールペンを掴んで、自分の首に突き立てた

「この女の分だけは、被害届を出します」

 ひどくイラついた顔で彼女をひと睨みしたマネージャーさんは、私に状況を確認することもなく、警察官に被害申告の意思を伝えました。それを聞いた彼女はガックリと項垂れ、重い悲壮感を醸し出しています。絶対に柔道をやっているだろう安藤なつさんのような体躯を持つ女性警察官が、彼女の身分確認と身体捜検を済ませて、エコバッグに隠したブツを確認すると、計10点、合計1万8,000円ほどの商品が出てきました。彼女の所持金は3,000円程度ですが、クレジットカードでなら払えると、買い取りによる解放を望んでいます。

「あなた、あそこに写真貼られてるの、知ってるよね? なんで、やっちゃうの?」
「銀座でお店やっているんですけど、売上が足りないから……」
「お店って、何よ? あなたが経営してるの?」
「夫と二人でやってるんですけど、なにもかもうまくいかなくて……。うわーん!」

 すると、突然に立ち上がった彼女は、マネージャーのデスク上にあったボールペンを掴んで、自分の首に突き立てました。

「こら、やめなさい!」
「自傷! 自傷!」

 警察官たちの怒号が飛び交う中、安藤なつさん似の女性警察官に制圧された彼女は、執拗にボールペンを握りしめて抵抗していましたが敵うはずもありません。落ち着いたところで傷口を確認すると、蚊に刺されたような痕しか見当たらず、その中心にあるインクが落ちるか気になったことを覚えています。

 その後、取り調べの場において容疑を否認した彼女は逮捕となり、私も証人として裁判所に出廷する展開になりました。判決は、懲役1年、執行猶予3年(保護観察処分付き)の有罪判決。この時を最後に彼女の姿を見ることはありませんが、お店の場所はわかっているので、今度銀座に立ち寄ることがあったら、彼女の店がどうなっているか確認してみたいと思っています。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)

最終更新:2019/03/23 16:00
「JUJU」
思わず「JUJU 顔」で検索しちゃったわ
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