美容・健康
【連載】美容整形Dr.高須幹弥に訊く!

高須幹弥先生と考える、「扇風機おばさん」ハン・ヘギョンさんが教えてくれたこと

2019/01/28 21:00

【第79回】「高須幹弥センセイ、ヘギョンさんはどうして整形に依存しちゃったんですか?」

 整形依存によって顔面が肥大し、その見た目から「扇風機おばさん」と呼ばれていた韓国のハン・ヘギョンさんが、昨年12月15日に亡くなった。闇医者での施術をきっかけに、注射器を用いて自ら大豆油やパラフィン、工業用シリコンなどの注入を繰り返したことで異物が蓄積。韓国や日本で除去手術を行ってかなり改善はしたものの、元に戻ることはなかった。そんな彼女の姿は日本のメディアでも度々紹介されたため、整形依存の恐ろしさを垣間見た人も少なくなかったはずだ。

 高須クリニック名古屋院院長の高須幹弥先生、追悼の意を込め、ヘギョンさんの実例をもとに、整形依存に潜む危険性について解説をお願いします!

■自己流の整形は危険が伴う
 ハン・ヘギョンさんは、ただの醜形恐怖症や整形依存ではなく、統合失調症も患っていたんだそうです。その症状で幻聴に悩まされ、自己注入に歯止めが効かなくなっていたようです。

 ただ、自己注入は、材料費のみで安くできるし、自由になんでもできますから、依存に拍車がかかってしまうのはヘギョンさんに限ったことではないでしょう。僕のところへも、裏ルートでヒアルロン酸を入手して、自己注入や友だちと注入し合った結果ボコボコになってしまったという人がたまに来ます。

 しかし、思い通りのカタチにするには、やはりそれなりの技術が必要ですし、細菌が入るなど感染のリスクも高いうえ、誤って動脈に注入してしまうと、皮膚が壊死したり、失明したりすることもある危険な行為なので、絶対にやってはいけません。

 なお、自己流の整形では、ほかにも、ピンで二重のラインをつくろうとしてまぶたが傷だらけになった人や、「鼻を叩くと高くなる」というネットのウワサを信じて何百回も強く叩いてしまい、皮膚が厚くなって赤みを伴ったひどい状態の人もいました。鼻は叩いても高くなりません。ネットのデマに惑わされないようにしてくださいね。

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