美容・健康
【特集:子宮筋腫になったら?】

4人に1人は持つ「子宮筋腫」と「ピル」の関係は? 眉唾情報の真偽を産婦人科医に聞く!

2019/01/05 19:00

【調布keijinkaiクリニック 瀧康紀医師】

――ピルと子宮筋腫の関係について教えてください。

瀧康紀医師 ピルを飲むことで女性の体は妊娠中と同じ状態になります。月経が停止されますから、月経痛が重い、月経時の出血が多い、という人にはピルはいいのではないでしょうか。

 ただ「子宮筋腫の対処としてのピル」には欠点があります。まず低用量ピルの中にもエストロゲンが含まれていますから、このエストロゲンが子宮筋腫を大きくする可能性があるわけです。これがまず1つ目の欠点です。もう一つは低用量ピルにも副作用のリスクがあり、まず血栓のリスクがあります。また、ピルを服用すればタバコは吸えなくなります。

 ただ、ピルのいいところはやめれば元の体に戻るところです。 過多月経に関してはピルはいいと思いますが、大きな筋腫を小さくするためにピルを使うというのはありえないですね。そもそも、ピルにもエストロゲンが入っているのですから。

 子宮筋腫を小さくしたいのならば、ピルではなく、子宮筋腫の薬物療法で治療するリュープリンを利用します。リュープリンは「女性の体を疑似的に閉経後の状態にする」というもので、「女性の体を疑似的に妊娠の状態にする」低用量ピルとは異なります。

 閉経後はエストロゲンの分泌が大幅に抑えられますから筋腫は小さくなります。ただ、閉経状態になるので更年期障害の症状ともいえるホットフラッシュやイライラが出る人もいますし、人によってはうつ状態になる人もいます。動脈硬化も進み、骨のカルシウムも失われます。ですので、リュープリン治療は長期間できません。だいたい半年ですね。なお、子宮筋腫において、粘膜下筋腫の方の場合10~17%ぐらいはリュープリン治療を行うことで大量出血を起こす伴うケースもあるので、注意が必要です。

 ただリュープリンもピル同様にやめれば体は元に戻るのと、誰がやっても、どこでやっても同じ効果が出るというのは手術とは違ったメリットとも言えますね。

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 子安医師、瀧医師ともに、「現状では(子宮筋腫の治療において)ピルは勧めるほどのものではない」という意見となっており、また、両医師ともにピルによる血栓のリスクを指摘されている。

 「子宮筋腫」は40代女性の3~4人に1人はなる非常にポピュラーな病気でありながら、まだ謎多き病気ともいえるのだ。サイゾーウーマンでは子宮筋腫特集として、子安医師、瀧医師に引き続き話を伺っていく。
(石徹白未亜)

最終更新:2019/01/05 19:00
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