ランジェリースタイリスト・中根菜穂子さんインタビュー

ユニクロ、ワイヤレスブラ大ヒット! 市場トップの下着メーカー・ワコールを凌ぐ3つの理由

2018/10/12 16:00

ワコールの強みは、幅広い年齢に対応した商品展開

 一方、業界トップの「ワコール」のブラには、どのような特徴があるのでしょうか?

「日本国内の下着メーカーにおいて、ジュニア向けのものからシニア向けのブランドまで展開しているのはワコールのみです。また、価格帯についても10〜20代女性向けで1,000円台のものから、2万円を超えるブラまで幅広く販売しています。女性の体形や年齢変化に合わせて細分化し、顧客ニーズに応えた商品を作り続けてきたのがワコールの特徴ですね」

 また、ワコールは女性の体が年齢によって変化する「エイジング」を研究する「人間科学研究所」という機関を所有していることも大きな強み、と中根さん。

「同研究所では女性の体形変化を研究し、商品に生かしています。そのためワコールのブラはエイジングを緩やかにしつつ、年齢を重ねた女性の体を美しく見せる点に関しては、他ブランドに比べても、とても優れていますね」

 幅広い年齢に対応したワコールのブラは、アンチエイジングを意識して身に着けられることが、最大のメリットになっているようです。

「ただし、装着方法や身に着ける位置を間違えるとワイヤを不快に感じたり、せっかくのアンチエイジング効果が発揮されない可能性があります。そのため、正しい着け方・着け位置・ストラップ調節がわからない方は、販売員からレクチャーを受けるのが理想ですね」

 気軽に購入できるユニクロと、アンチエイジング効果が得られるワコール。もともと双方のニーズが異なるため「実際は、それほど客の取り合いは起きていないのでは」と、中根さんは指摘します。

「ランジェリースタイリストとして、これまで多くの女性に関わってきたのですが、ブラへのこだわりは十人十色です。美容系のお仕事をされていても、ブラには興味がなく長年『ブラトップ』を愛用しているという女性もいれば、好きな下着メーカーにこだわりがあり、シーズンごとに買い替えるという女性もいます」

 ブラは通常、他人に見られることを個人が想定していないため、服に比べて興味や関心の差が表れやすいとのこと。そのため、ユニクロ派と下着メーカー派では、ブラに求める要素が違うようです。

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