「#MeToo」告発

アラーキー告発で「モデルの弱い立場」浮き彫りに――業界のセクハラ横行が問題視されにくい理由

芸能界でセクハラは横行している

 KaoRi氏のような事例は、モデル業界、ひいては芸能界で、頻繁に起こっているのだろうか。

 水原希子もKaoRi氏の告発を受ける形で、インスタグラムのストーリー機能を用い、「私も20代前半の頃 ある企業の広告撮影で上半身裸になって手で胸を隠して撮影をする事があったんだけど、その時だけ何故か沢山の男の人、多分上層部であろう20人くらいの社員の人達がスタジオに来て、裸だから撮影中は見られたくないと伝えたけれども、写真を確認しなくてはならないからと言う理由で、結局、仕事だからと拒否できないんだよと言う理由で、沢山の男性に裸を見られる環境の中で撮影を強いられた事があった」と告白。「モデルは物じゃない。女性は性の道具ではない。みんな同じ人間。心を交わし合う事を忘れてはいけない」と訴えている。

 山岸氏は芸能界について「確かにセクハラは横行しています」と言い、しかし「『モデルに肌を露出させ、ポーズを取らせて撮影する』『テレビ映えの確認のために、足の太さを指摘する』『タレントの可能性を探るため(アダルトへの耐性を確認するなど)、ひわいな言葉をかける』……これらが、予め許容されることが盛り込まれた業界」と解説する。

 確かに、芸能界は特殊な世界だ。山岸氏が「ほかの業界、例えば、医療の現場、法律事務所内、コンビニエンスストアのアルバイトとは異なる場面であることを認識しなければなりません」と語り、“強要”という点に関して慎重な姿勢を取っているには、次のような理由があるからだという。

「当職が顧問を務める、あるAV関連会社にも、当初、自ら『AVに出たいです』と地方から出てきた女の子が、撮影を終え、出演料も得た後に、突然『強要されました』などと、うそぶき始めることがあります。ほとんどが、女の子のバックに変な輩がついて金づるを引っ張ろうとするケースです。昨今、AV出演の強要などが問題視されているようですが、今のAV出演契約書は、AV撮影の同意、作品の内容の説明、NG事項の確認、報酬の確認など、それこそ不動産売買の際の重要事項説明のように、細かく20条以上にもわたって構成されているのですが……」

 このように「強要された」とウソをつくケースは論外であるものの、一口に“強要”といっても、事実関係やどういった状況下にあったか、また「その業界にあらかじめ織り込まれている、盛り込まれている要素を無視していないか」を、冷静かつ客観的に見なければいけない……ということのようだ。

 KaoRi氏が荒木氏から受けた扱いは、「その業界にあらかじめ織り込まれている、盛り込まれている要素」だったのか。告発文だけでは判断できない部分があり、また、そもそも外の世界からは業界内のルールはまったくわからないものだ。KaoRi氏が当初驚いたように、海外の写真家からすれば、モデルと契約書を交わさない日本の写真家は“非常識”とみられるケースもあるのではないだろうか。明文化できない、ぼんやりとした業界の空気を大きく変えることは、並大抵のことではないと思われるが、KaoRi氏の告発が、同じような状況に立たされている人たちにとって何らかの希望となること、また業界内が健全な方向に向かっていくきっかけになることを信じたい。

最終更新:2018/04/11 17:13
ブラック企業・セクハラ・パワハラ対策 (労働法実務解説10)
芸術ってなんなんだろうという気になってくる

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