「コンビニサラダ」「粉末の青汁」で、野菜の栄養素は本当に摂れるのか? 管理栄養士が解説
――野菜を粉末状にした製品は、見た目の印象からか、栄養素が破壊されているように思っていたので驚きました。
平野 例えば、明日葉にはカルコンというポリフェノールが含まれ、内臓脂肪を減少させる働きがあるといわれており、大豆と合わせて食べるとより有効なのですが、粉末状だと豆乳に溶かしてドリンクにしたり、豆腐と混ぜて野菜バーグにするなど、アレンジもしやすい。野菜を摂ることに面倒くささを感じる人にはおすすめかもしれません。
――粉末状といえば、野菜ふりかけのような製品もありますが……。
平野 市販の乾燥した野菜ふりかけで、野菜の栄養素を摂ろうと期待するのは、かなり無理がありますね。野菜嫌いな子どもが、野菜を食べられる自信を持つきっかけになれば……という程度のもの。蕪や大根葉をごま油などで炒め煮にしたものをふりかけとして使う場合は、βカロテン、ビタミンE、食物繊維の素晴らしい供給源となりますよ。
――野菜を摂るのが億劫という人にとっては、スーパーでの野菜選びも悩みどころの1つです。効率よく栄養成分を摂取できる野菜を教えてください。
平野 「ブロッコリー(ビタミン、ミネラル、食物繊維)」「パプリカピーマン(βカロテン、ビタミンC)」「トマト(抗酸化成分・リコピン)」などでしょうか。ちなみにトマトは、トマト缶やトマトソース缶、ケチャップでも代用可能ですよ。
また、野菜を選ぶ際には、「新鮮なものを選ぶ、買ったらできれば2~3日で使い切る」「食べたことがないもの、使ったことがないものは、時間があるときに選ぶ」「量は少ないもの」の3点を意識してもらえればと思います。はりきってたくさんの種類の野菜を買ったものの、使い切れずに処分することになると、罪悪感が残り、料理から遠のくきっかけになりがち。なので、“不要なものまで買わないこと”が大切なんです。もし、どうしてもたくさんの種類を買いたい場合は、少ない量の小分けタイプを選んだり、作りたい料理の材料とその分量をリストアップして、必要な量だけ買うといいでしょう。野菜は人と同様に生きているので、日がたてば栄養価は下がります。だから鮮度を一番に考え、買いすぎず、2~3日、長くても1週間で使い切ってほしいですね。