サイゾーウーマンカルチャースポットかわいくてグロい、女の秘宝祭 カルチャー “武装”する女たちのみなぎるパワー かわいくて、きらめいて、グロい。女性アーティストによる南宇都宮石蔵秘宝祭 2012/09/06 15:30 スポット かわいいものにときめき、グロテスクなものを愛でる。やわらかく女性的なものを称賛し恨みながら、男性的な力強さにわななき、罵り、羨望する。女の中に混沌と存在する感情は、時に自分でも持て余すほどの激しさで瞬時にその表情を変える。それは男性が理解し得ない、女の秘宝――。 現在開催中の「南宇都宮石蔵秘宝際」は、参加した女性アーティスト20人の“女の秘宝”が凝縮されている。作品は子宮、男根、セーラームーン、美少年などに材を取り、男性的社会からの抑圧に抗うような攻撃性と、抑圧を逆手に取ったような軽やかさが感じられる。 しかしなぜ、南宇都宮駅前という、交通の便が決して良いとはいえない場所を選んだのだろうか。「私は昔、宇都宮に7年間住んでいて、20代はほとんど宇都宮で過ごしました。宇都宮はすごく保守的で、男性的。そこに、業が深い、自分の好きなことを貫き通すために、いろんな形で“武装”している女性アーティストを送り込んでみようと思ったんです」と話すのは、主催の増田ぴろよさん。石蔵にもこだわりがあり、「自分たちの好きなもの、かわいいと思うものを突き詰めたら、ふわふわしたもの・ピンクの造形物になる。それを重厚な石蔵に展示したら、どうなるだろうという楽しみもありました。石蔵全体は子宮というイメージ」と話す。実際に入口を入って正面には、男性器がモチーフのテキスタイルをまとった回転ベッド、その上で宙を昇るピンクの龍(作:真珠子)が観客を出迎える。真珠子さんいわく、「この龍は生命力を具体的にした形。石蔵が子宮なので、これは精子なのかもしれないですね」。 闘いを経た体こそ愛おしい“秘宝”の一つ 「加齢」をテーマに女が一番隠し、愛しむ自身の体を作品に、したのは伊藤和代さん。自身の上半身を型どり、乳房をマスクで覆われている石膏が2体並んでいる。「2000年に作った1体が今回の作品のベースにあります。この作品を作ったのは、農作業用のマスクを見つけたのがきっかけ。説明書きに使用時間が12時間までとあり、それを過ぎると毒を吸ってしまい、逆に害になる。時間がきたら取らなきゃいけない。私はその時25歳だったんですけど、実家を出ることについて悩んでいた時期でした。自分を守りつつ、いつまでも甘えているとそれが毒になるんじゃないかと思ったんです」。マスクは「ホゴ(=保護)」を表し、守られていることで鈍感になっていくことの恐怖、紙一重でホゴされなくなる現実を意味している。隣には、現時点での伊藤さんの上半身を型どったもう1体の石膏。こちらは使用時間が短くなったマスクでホゴされている。2体を見比べると、ホゴされる時間が少なくなったことで、体のラインやマスクの大きさが変わる。それをただの「加齢」と取るか、「ホゴ」が外れ、社会との闘いを経た体と見るか……。 『サクリファイス』、こちらはタイで撮った作品。現地の祭壇で使われる装飾を巻きつけた少年は死を連想させる 小林由美子さんの作品は、少年の写真と映像。「『サクリファイス』、生贄・犠牲というテーマで、美しい男の子を生贄にする試みです。神様に近づきたいという動機で始めたのに、最終的には男の子が自分への捧げ物に思えてくる。美しい男の子を“消費”するのではなく、男に対するコンプレックスがあるからこそ、取り込んで、支配して、自分が優位に立つ。それは女が持つ欲望だと思うんです」。栃木県出身の小林さんは、地方に根強い「跡取りとしての男」に強烈なコンプレックスを抱いてきた。「家を継ぎ、土地を持ち、名字も残るという田舎の男性の強さに対して複雑な思いがあります。そういった未来が待ち受けていることに対して、うっ屈している少年ですら、褐色の肌を持ち、細胞分裂が盛んな強さがあるだけで羨ましい」。写真の一部は、栃木県で撮影されている。田んぼが広がり、高齢者が増えていく「死のにおいが充満している」街と、少年の生命力溢れる肉体との対比が印象的だ。 トイレの一角に設けられたハッテン場マップ。吊り下げられた携帯は鳴るのか 会場の「ギャラリー悠日」のトイレをハッテン場にする、という作品を仕掛けたのは、久恒亜由美さん。会場周辺の公衆トイレなどのハッテン場に“とある方法”でメッセージを残し、「悠日」のトイレにぶら下げたプリペイド携帯電話と連絡が取れるようになっている。「トイレからトイレにつながるコミュニケーションで何が起こるか、作品自体は投げかけている状態なので、参加者によって落とし所が変わるんです。男性との出会い方でキャッチーなのは“エロ”なのでハッテン場を作ったのですが、もしかしたら初恋の人と再会するしれないし、エロじゃなく別の物語が始まるかもしれない」。久恒さんが引き合わせの力を信じているのには理由がある。実は某ナンパ雑誌の実践企画のターゲットとなり、記者からラブレターをもらった経験がある。「友だちに話したら、『あの雑誌じゃない?』と言われて……。最新号を見たら、私の写真が掲載されていたんですよ。そこから、記者を騙すためにすごく表面的なメールを始めて。互いがセックスに向かって空虚なメールをし合ううちに、騙し合いがすごく楽しくなったんです」。「出会い方」の面白さに目覚めたのは、この経験があったから。「この作品は当日はリアルにトイレとして使ってもらいます。トイレは外と時間の流れ方も違う、防衛本能が緩んでいるじゃないですから。だからビデとかしている時に電話かかってきて、『私、今びしょびしょに濡れてる……』とか言ってほしいですね」 フランクチンコの屋台も。精気を取り込みたいならコレ! ほかにも現代西洋魔術ワークショップ&儀式「オペレッタ化学の結婚 – 薔薇と虹」や「雅治のちんこを作ろう」というワークショップ、フランクチンコが食べられる屋台、バスツアーなどのイベントもチンコ盛……じゃなくて、てんこ盛り! 「南宇都宮石蔵秘宝祭」で、作品と自身の中に眠る秘宝がが呼応し合う快感を楽しんでほしい。 (小島かほり) ■「南宇都宮石蔵秘宝際」 最終更新:2012/09/06 19:07 関連記事 他人の甘酸っぱい恋バナに酔う! 切なすぎてすすり泣き続出『胸キュンナイト』「媚薬もおもちゃも必要ない」! 「媚薬ナイト」で岩井志麻子がアンチ表明?画一化されたエロスにNO! 『東京女子エロ画祭』が晒した女の"欲望" Amazon 『Beautiful life / GAME』 「オレ、じゃないよね?」 次の記事 キャラ崩壊でGACKT一巻の終わり? > Facebook Twitter プッシュ通知を受け取る クリックしてプッシュ通知を有効にする クリックしてプッシュ通知を停止する アクセスランキング カルチャー “行ってはいけない”縁切り神社 AV男優・しみけんがスパッと解答 アラフォー婚活、相席居酒屋37歳男子コンビ “行ってはいけない”眉唾パワースポット3選 アラフォー婚活、無口すぎる34歳デザイナー 過激セックスがすごいエロ漫画 アラフォー婚活、イケメン中卒38歳 【25回】30代独女、オムツデビュー ジャニー喜多川さんのお墓参りガイド 素人が“行ってはいけない”パワスポ3選 犬木加奈子インタビュー・前編 Jr.定年制度、滝沢氏へのヒント カマたくさんが「売春を始めたきっかけ」 アラフォー婚活、「ラブホ行かない?」タップル婚活の男 吉原ソープ嬢の恋愛・セックス・男性観 婚活してる時間がない バチェラー・黄皓が結婚発 ジャニーズ若手歌うまNo.1は? 音楽評論家が語るジャニーズ曲の革新性 アラフォー婚活、夜の相性最悪の35歳販売員 総合 ブランドアンバサダーがピッタリだった男性有名人は? 劇場版『名探偵コナン』V3 【おもちゃ】片付けやすい収納テク5 春ドラマ初回視聴率TOP10 【ダイエー】売り場に残る自社ブランド RIEHATA氏、ビールの出演CMが見送りに ミルボンのオイルがおすすめ! 男性アイドル生写真売り上げ4月ベスト10 東北帝国大学の情けないウラ事情 夫人の親友が冷たい一言 戦慄かなの、「誤爆」謝罪もファンの反応分かれる BE:FIRST『D.U.N.K.』が世界配信! 工藤静香、木村拓哉風写真公開 愚痴に正論で返す夫との向き合い方 ビーファ映画でうっかり泣いてた 【ヘルシーちくたこ】子どものおやつ完全勝利 キンプリ永瀬、GWの話題は「ほんまだるい」 【西友】食品スーパーNo.1の可能性あり いちご大福専門店の600円いちごミルクに驚き 男性アイドル生写真売り上げ24年4月ベスト5 カルチャーの人気記事 “行ってはいけない”縁切り神社 AV男優・しみけんがスパッと解答 アラフォー婚活、相席居酒屋37歳男子コンビ “行ってはいけない”眉唾パワースポット3選 アラフォー婚活、無口すぎる34歳デザイナー カルチャー一覧へ サイ女の精神!過去の人気コラム 『ブギウギ』ヒロイン・スズ子の実像は、いわゆる「おもしれー女」? 生粋のボンボンを落とした恋愛スキルとは コラム 手錠で出産、虐待や凍死も! 刑務所新築の一方、変わらない実情に元女囚がひとこと 知られざる女子刑務所ライフ フジ『大奥』の松平定信は、史実における田沼意次? ドラマとは異なる家治との関係とは コラム コラム一覧へ