2023年秋ドラマ、本当の評判

『いちばんすきな花』視聴率4%台も……秋ドラマ唯一のTVerお気に入り数100万超!

2023/10/31 19:42
仲宗根由紀子(エンタメライター)
「『キリンウイスキー 陸』新発売記念発表会」今田美桜の画像
アダルトチルドレンっぽい夜々を好演する今田美桜(C)サイゾーウーマン

 多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演を務める連続ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)が、民放公式動画配信サービス「TVer」のお気に入り数で117.9万を記録(10月31日現在、以下同)。10月期の連ドラで唯一の“100万人超え”を果たした。

 同ドラマは、年齢や立場が違う男女4人の人間模様が中心に描かれ、「男女の友情は、成立する?」という永遠のテーマを問う作品。昨年、大きな話題となった川口春奈主演ドラマ『silent』(同)の脚本家・生方美久氏と同局プロデューサー・村瀬健氏が再びタッグを組んだとあって、放送前から注目を集めていた。

※以下、『いちばんすきな花』第3話のネタバレを含みます。

 26日に放送された第3話では、表向きは「無個性のいい人」である椿(松下)が、元婚約者の純恋(臼田あさ美)と住むはずだった一軒家に帰宅すると、玄関に紅葉(神尾)の姿が。のちに、ゆくえ(多部)、夜々(今田)もこの家に合流する。

 すると、そこへ純恋が突然やって来る。「椿の気持ちを聞きたい」という純恋に対し、椿が「純恋のこと好きだった。でも好き同士だったけど、両想いじゃなかった」「好きっていうパッケージに満足してるだけ」などと告げる。純恋は「何それ」「意味わかんない」と困惑するばかりだった。

 純恋が帰った後、居心地の良さから椿の家を「部室」と形容するゆくえたち。4人はようやくLINEでつながり、それぞれが帰路に着く中、夜々が浮かない顔で帰宅。そこには夜々の母・沙夜子(斉藤由貴)が待っていたのだった――。

『いちばんすきな花』、「TVer」お気に入り数でトップ!

 第3話では、26日に追加キャストとして発表された斉藤が初登場。ネット上では「夜々のママ、毒親っぽい雰囲気」との指摘が相次いでいる。

 ただ、同ドラマの公式Xは同日、沙夜子について「夜々が選んだ道を受け入れるなど、毒親ではない」「その反面、娘の意思を尊重しているという自負があるため、夜々の思いに気づかない」とのキャラクター設定をポストしており、毒親とは異なるようだ。

「『TVer』のお気に入り数で今期トップをひた走る『いちばんすきな花』ですが、昨年10月期の『silent』も同10月中旬頃に100万人を突破しており、同じような数字の伸び方といえます。ほぼ会話劇で展開に派手さがないせいか、聴覚障害者と健常者の恋愛を描いた『silent』ほど話題になっている印象はありませんが、登場人物のセリフが『心に刺さる』という視聴者は多いようです」(テレビ誌記者)

 一方で、平均世帯視聴率は第1話が5.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2話が5.1%、第3話が4.5%と右肩下がり。この調子が続けば、『silent』の全話平均7.6%を下回りそうだ。

『いちばんすきな花』、松たか子主演『カルテット』と似てる?

 また、坂元裕二が脚本を手がけた松たか子主演ドラマ『カルテット』(TBS系/17年1月期)に「似ている」との指摘も目立つ。実際、メインキャラクターの4人が自然と集まり、一軒家に集う展開などが共通している模様。

「2021年に『フジテレビヤングシナリオ大賞』大賞を受賞した生方氏は当時、『坂元裕二さんみたいに、唯一無二といわれる脚本家になりたい』とコメント。そのため、『いちばんすきな花』の設定は『カルテット』を意識した可能性もありそう。なお、『いちばんすきな花』は主人公たちの中学生のごとく繊細な思考が見どころともいえるため、『中二病カルテット』と形容する一部ネットユーザーも見られます」(同)

 「TVer」で盛況ながらも、視聴率は苦戦している『いちばんすきな花』。好みが分かれそうな作風だが、『silent』級の話題作となるだろうか。


仲宗根由紀子(エンタメライター)

仲宗根由紀子(エンタメライター)

芸能誌の編集を経て、現在は国内・国外ドラマレビューを中心に執筆するライター。人気俳優のインタビュー経験多数。

最終更新:2023/10/31 20:19
性格悪いから「こんなことで悩めていいな~」って思う派
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