コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮さま、小室圭さんに不信感をあらわにした瞬間……金銭トラブル報道時の胸中

2022/07/30 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――しかし、憲法の「婚姻の自由」で許されているから、眞子さまと小室さんの結婚も許される、許されねばならないという感覚は、どうも……。

堀江 やはり、憲法で正当化しているだけでは? ……という感覚はどうしても残りますよね。しかし『秋篠宮』を読む限り、先例とか、歴史とか、そういう要素には言及もしないし、振り返らない立場を秋篠宮さまが貫かれているのは少々意外でもありました。

――そこはどう読み解けばよいでしょうか。

堀江 皇室の歴史は何千年も続いているけれど、皇室を取り囲む周囲の視線は時代によって激変しているでしょう。第二次世界大戦前と戦後では、まったく皇室が置かれている立場も、皇室に期待されるものも異なっていると思います。

 ちなみにエリザベス女王は英国国教会の首長でもあるので、憲法や法律が及ばない問題に対しては、キリスト教の信者として、宗教的な良識に従えばよいという部分もあります。しかし、皇室の宗教を神道として考えた場合、神道には教典もなければ、教義もないんですね。つまり何をしたらNGとするような禁止事項も実は存在しないし、ついでにいうと、どんな状況を救済だと考えるのか、そういう教えもない。

 常に自身が誠の心を大事にして生きていくかが問われるのです。だからある意味で、自由すぎる教義の神道に対し、皇族は昔から、不自由な生活を送っているわけです。

 だから宮さまとしては宗教、歴史、伝統とかをご自身の行動の規範として明言するわけにはいかず、憲法の婚姻の自由にこだわるしかないといえるかもしれません。でもそれが我々にはどこか引っかかりがある。

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