【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮さま、小室圭さんに不信感をあらわにした瞬間……金銭トラブル報道時の胸中

2022/07/30 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

『秋篠宮』に書かれた「皇室の今を理解する」という狙いのほどは

――憲法云々ではなく、自分の思考の結果として、ということならば世間の印象も違ったでしょうね。

堀江 そうなんです。しかし、秋篠宮さまはそれを行うことはなかった。また、自分の取材を続けている江森さんに対し、自分の口からは伝えることができないメッセージを世間に代弁してもらうということも、「あえて」行わなかった。

 今回の出版も、秋篠宮さま自身の決断がなければ世には出なかったはずなんですね。でも、そういう異例なことを行うという決断はしても、踏み出し方が中途半端でいらっしゃった。

――『秋篠宮』の出版は、実に貴重な機会だったのに、それで不十分な成果しかもたらせなかったというのは、残念だった気がしてなりません。

堀江 はい。結局、「私の気持ちを察しなさい」ふうに振る舞ってしまう秋篠宮さまには、はっきりとした批判や不満を口に出したくても出せなかった、過去の天皇のおふるまいと同質の「何か」を感じてしまいました。

 ただ、江森さんがかつて『秋篠宮さま』の中で述べた「日本に連綿として続いた皇室の今を理解する上で大きな一歩になれば」という抱負は、本作『秋篠宮』に引き継がれ、より明確なメッセージとなって伝わったのかもしれません。実にネガティブな形で、ですが……。

秋篠宮
令和における混沌と問題の書
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