コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮さま、小室圭さんに不信感をあらわにした瞬間……金銭トラブル報道時の胸中

2022/07/30 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

堀江 そうなんですよ。娘の”暴走”を止められなかった父親として、秋篠宮さまにも批判が集まりました。本作『秋篠宮』を読んでいても、皇族の結婚はハードルが非常に高いとか、特殊な事情があることは理解した上で、それでも秋篠宮さまや、そのご家族がどの程度、国民と向かい合えているのか? とか、国民の声を受け止められているのか? 疑問を感じてしまった部分がありますね。

 あとね、この本の中……とくに中間部で、何回も秋篠宮さまのことを「学者肌」とかいう言葉で語っているのも、あらためて気になったんですよね。なにか、トゲを感じたのですよ。旧著『秋篠宮さま』(1998年、毎日新聞社)でも、たしかに宮さまを学者視する描き方はありましたが、本作の「学者」という表現には、世知に疎い人というニュアンスのほうが強いのではないか……、と。

――たしかに憲法遵守の姿勢が強いことにも、学者的といえるかもしれませんが。眞子さまの結婚を反対しない理由としても、憲法24条が持ち出されました。秋篠宮さまは、憲法にすごくこだわる印象もあります。

堀江 一般家庭では、娘の結婚の可否に憲法を持ち出すケースは少ないでしょうが、よく考えたら、イギリス王室のエリザベス女王も、その少女時代の勉強といえば憲法とその解釈が中心でした。成長後も君主としての自らの行動規範や、家族に結婚を許可できるかといった問題に対しては、まず憲法や法律を自ら徹底的に調べ、それを遵守するという立場を貫いてきましたからね。立憲君主制の王族(皇族)の行動に正当性を与えるのは憲法という考え方なのでしょう。

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