オンナ万引きGメン日誌

“女優”万引きGメンが激怒した「卑劣な盗撮犯」、その後味の悪い結末

2022/05/28 16:00
澄江(保安員)
写真ACより

 こんにちは、保安員の澄江です。

 ここのところ、主に食品を扱うクライアント様からいただく仕事の絶対量が減り、いよいよ先が見えなくなってまいりました。どの企業も、先行き不透明感を理由に経費を削減しており、その第一候補が保安警備というわけです。私服で行う保安警備は、制服警備員と違って存在感がなく、一番削りやすい場所にいます。たとえ多くの捕捉実績があっても、その月の費用対効果で判断されてしまえば割に合わないことは確かなので、それも仕方のないことといえるでしょう。

 生涯現役を目指してやっていますが、このような社会情勢になるとは思わず、加齢による足腰の痛みもごまかしが利かなくなってきました。そろそろ引退すべき時期かもしれないと、日々葛藤しながら現場に入っては、小さな騒動を起こす日々を過ごしています。

 今回は、以前に大型書店で捕まえた盗撮犯について、お話ししたいと思います。

相棒は正義感あふれる安達祐実似の女優Gメン

 当日の現場は、東京の中心に位置する大型書店S。8階建てのビルで書籍の専門店を営む老舗の有名書店です。当日の勤務は、午前12時から午後8時まで。ここのところ換金目的の粗暴犯が目立つことから、2人勤務で対応することになりました。この日のパートナーは、半年前に他社から移籍してきた美智子さん(32)。

 どことなく女優の安達祐実さんに似ている可愛らしい方で、腕もよく、すでにいくつかの指名店舗を抱えておられる人気の職員です。彼女と会うのは、これが2回目。この仕事は、趣味の範囲でやられているそうで、本業は舞台女優なのだと話していました。副業をやるにしても、演技に役立ちそうなことがしたいと、この仕事に行きついたそうです。直近の舞台では犯罪者の役をやられたそうで、現場のリアル感が演技に役立ったと、輝かしい笑顔で話していました。

「前の会社では、どんな現場に入っていたの?」
「スーパーが多かったですけど、本屋さんと洋服屋さん、リサイクルショップにも入っていました」
「ここと変わらないけど、どうして移籍する気持ちになったの? お給料だって、そんなに変わらないでしょう?」
「セクハラがひどくてやめたんです。研修で会社にいくたび、社長から手を握られたり、お尻触られたりして、もう我慢できなくて。ほかにも、同じように嫌な思いをして社員が3人いたから、みんなでやめて一緒に訴えたんですよ」

 話を聞けば、在職中に申し合わせて証拠を集め、お金を出し合って集団訴訟を起こしたそうで、相当額の賠償金を受領されたと話していました。かなりの修羅場だったようですが、複数回にわたる和解の申し出を断って判決を得たといい、話の節々から勝気な性格が垣間見えるような気がします。

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本人はセクハラだと思ってないのが一番厄介
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